Posts in category

ベルクソン 反時代的哲学

藤田尚志

 ベルクソンについてはあまりにしばしば非合理主義ということが言われてきた。「硬直した理性がしなやかな理性以上のものであることを望む」この度し難い偏見を脇目に、ペギーはすでにこう断じていた。「そうではなく、最も緻密で最も厳しいのが、しなやかな方法であり、しなやかな論理、しなやかな道徳であることは明らかである」 。ここから次のような問いが生じてくる。ベルクソンにとってこの種の新たな論理の探究が重要であったのだとすれば、なぜ彼はそれをはっきりと定式化せず、明確に規定しなかったのか?それが可能でなかったのだとすれば、それはいかなる理由によるのか?
 ベルクソンは、大胆な小説家ですらも、日常生活の論理の「根本的な不条理性」を「明示する」ことはできず、ただその「驚くべき非論理的な本性」を「推し量らせる」ことしかできない、と述べていた 。この意味で、メジャーな概念は明示しようとし、マイナーな論理は示唆しようとするものである。ささやかではあるが、厳密なマイナーな論理というものが存在する。この点をさらに詳らかにせねばならないとすれば、そのために、言語、とりわけ隠喩(メタファー)・イメージ・形象の問題に、つまりはベルクソンの「文体(エクリチュール)」という決定的な問題に取り組まねばならないことは今や明らかである。
(「序論より」)

1 0
「名もなき家事」の、その先へ――“気づき・思案し・調整する”労働のジェンダー不均衡 11月 20日, 2017 「名もなき家事」の、その先へ

「名もなき家事」の、その先へ――“気づき・思案し・調整する”労働のジェンダー不均衡
vol.01 見えないケア責任を語る言葉を紡ぐために/平山亮

SNS上で現在注目を集めているsentient activityの全容を、介護や放射能汚染と母親の責務など、家事にとどまらぬ各種事例のケーススタディを通じて明らかにし、日常生活に織り込まれた見えないジェンダー不均衡を可視化すべく、平山亮氏と山根純佳氏が6つの同じテーマを月替わりで交互に書き下ろしていきます。これまで語りようにも言葉がなかったところへ切り込む、いま、この二人だからこその連載をどうぞお楽しみください。[編集部]

続きを読む
1 0
連載・読み物 11月 20日, 2017 管啓次郎

コヨーテ歩き撮り#46

何だかわかる? ジャガイモじゃないよ、甜菜(ビート)です。砂糖の原材料が砂糖黍からこれに代わったとき、熱帯の産物だった砂糖がヨーロッパでも北米でも作れるようになり、劇的に安くなった。世界史の1ステージの終了でした。

続きを読む