コヨーテ歩き撮り#65
連載・読み物
9月 10日. 2018
彼女に出会ったのはどこだったかな。もう忘却の彼方。たぶんウィーン、たぶんドイツ語圏。場所を忘れても、残るこのかたち、うつろなまなざし。
すが・けいじろう 詩人。明治大学理工学部教授(批評理論)、大学院プログラム「場所、芸術、意識」担当。主な著書に『コロンブスの犬』『狼が連れだって走る月』(いずれも河出文庫)、『本は読めないものだから心配するな』『ストレンジオグラフィ』(いずれも左右社)、『斜線の旅』(インスクリプト、読売文学賞)ほか。詩集に「Agend’Ars」4部作および『数と夕方』『狂狗集』(いずれも左右社)、『犬探し/ 犬のパピルス』(Tombac) 、Transit Blues (University of Canberra) など。これまでに10数カ国の詩祭や大学で招待朗読を行なってきた。2013 ~ 14年、文芸誌「すばる」(集英社)に旅先の写真と文章からなる「旅ときりぎりす」を連載。
彼女に出会ったのはどこだったかな。もう忘却の彼方。たぶんウィーン、たぶんドイツ語圏。場所を忘れても、残るこのかたち、うつろなまなざし。
やあ、みんなよく飲んだね。夏と紫外線に対抗するには柑橘類の果汁がいちばん。こうしてみるととてもきれい、でもプラスチックはやっぱり異質すぎる。台北にて。
台北郊外の北投は温泉地区。山の上の源泉まで上がると、硫黄の匂いとともにこんな美しい池がありました。夕方の光の中で、しばし茫然。
台北の夏は酷暑。乗り切るための最高の方法は、ほんのり甘い冷たいデザートか。これは「緑豆、蓮子、白木耳、湯圓」で、白きくらげの歯触りがいっそうさわやかです。老舗の双連圓仔湯で。