虚構世界はなぜ必要か?SFアニメ「超」考察
第23回「ここ-今」と「そこ-今」をともに織り上げるフィクション/『君の名は。』と『輪るピングドラム』 (2)
この物語は、入れ替えと分岐(分割)の物語だといえます。まず、主人公の二人、三葉と瀧の、心と体が入れ替わります。そして、一つの彗星が二つに分岐して、その片割れが落下して大災害を引き起こします。しかし、入れ替わった二人が協力することで、一つの世界からもう一つ別の世界が分岐し(片割れし)、災害で多くの人が死んだ世界から、皆が無事に避難できた世界へと、この世界の「現実」が片割れした方へと入れ替えられます。