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憲法

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本たちの周辺 2月 24日, 2022 勁草書房編集部

ヴァーミュール『リスクの立憲主義』合評会 前編

2019年12月刊行、エイドリアン・ヴァーミュール(吉良貴之訳)『リスクの立憲主義 権力を縛るだけでなく、生かす憲法へ』(https://www.keisoshobo.co.jp/book/b491626.html)の合評会(2020年7月開催)の記録を論文形式で公開します。本書の位置づけ、憲法学の潮流等、より広く、より深くお読みいただく機会として、合評会に参加した気持ちでご一読ください。[編集部]

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憲法学の散歩道 1月 13日, 2022 長谷部恭男

憲法学の散歩道
第24回 道徳と自己利益の間

 ジョゼフ・ラズはイスラエルの出身である。H.L.A. ハートの指導の下、博士号を取得してオクスフォード大学で長く法哲学を教え、現在はコロンビア大学とロンドン大学キングズ・コレッジの教授を務めている。2018年には、東洋のノーベル賞とも言われる唐奨(Tang Prize)の「法の支配」部門を受賞した。
 彼に「道徳と自己利益」という論稿がある。彼の論稿の多くがそうであるように、かなり屈曲した議論が展開されている。結論は、おそらく、多くの人にとって意外なものである。……

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憲法学の散歩道 12月 14日, 2021 長谷部恭男

憲法学の散歩道
第23回 思想の力──ルイス・ネイミア

 『神と自然と憲法と』第18章で紹介したように、ジョン・メイナード・ケインズは、世界を支配するのは思想であるとし、それに比べて既得権益の影響は誇張されているとする。これと対蹠的な観点に立つのが、歴史家のルイス・ネイミアである。ネイミアによると、思想や原理と言われるものはすべて、人間の真の動機を覆い隠すためのイデオロギーにすぎない。歴史を動かすものは、別にある。……

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憲法学の散歩道 11月 16日, 2021 長谷部恭男

憲法学の散歩道
第22回 未来に立ち向かう──フランク・ラムジーの哲学

 フランク・ラムジーは1903年2月22日に生まれ、1930年1月19日、26歳で死去した。死因はレプトスピラ菌(leptospire)の感染による多臓器不全であると推測されている。父親のアーサー・ラムジーは、ケンブリッジ大学モードリン・コレッジで数学を教え、副学寮長(President)も務めた。フランクの弟マイケルは、1961年に第100代のカンタベリー大司教となった。妹のマーガレットは、オクスフォード大学で経済学を教えた。……

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