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法哲学

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憲法学の散歩道 1月 13日, 2022 長谷部恭男

憲法学の散歩道
第24回 道徳と自己利益の間

 ジョゼフ・ラズはイスラエルの出身である。H.L.A. ハートの指導の下、博士号を取得してオクスフォード大学で長く法哲学を教え、現在はコロンビア大学とロンドン大学キングズ・コレッジの教授を務めている。2018年には、東洋のノーベル賞とも言われる唐奨(Tang Prize)の「法の支配」部門を受賞した。
 彼に「道徳と自己利益」という論稿がある。彼の論稿の多くがそうであるように、かなり屈曲した議論が展開されている。結論は、おそらく、多くの人にとって意外なものである。……

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めんどうな自由、お仕着せの幸福――サンスティーン先生、熟議のお時間です! 10月 29日, 2021 めんどうな自由、お仕着せの幸福

追悼・那須耕介さん

法哲学をご専門とする、京都大学教授・那須耕介さんが、2021年9月7日、お亡くなりになりました。2017年に初期の膵臓がんが見つかり、手術を経て、抗がん剤治療などに取り組んでいらっしゃいましたが、2019年に再発。さらなる治療を続けられましたが、2021年8月半ばより容態が悪化し、9月、永眠なさいました。
このインタビューは、『ナッジ!?』の企画が立ち上がり、那須さんが対談連載用の取材を始める前に、「那須さんに話をうかがっておきたい」という『ナッジ!?』共編者の北海道大学教授・橋本努さんのお申し出によって実現しました。写真はすべて2018年のインタビュー当日に撮影したものです。那須さんがどのように考え、どのように研究をしてきたのか、ぜひみなさんにもお読みいただければと、ご遺族の了解を得て公開いたします。53歳という若さで亡くなった那須さんのご冥福を、心より祈ります。[編集部]

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憲法学の散歩道 5月 25日, 2021 長谷部恭男

憲法学の散歩道
第20回 『法の概念』が生まれるまで

 法史学者のブライアン・シンプソン(Alfred William Brian Simpson)は、1931年にイギリス国教会の牧師の末っ子として生まれた。1951年、オクスフォードのクィーンズ・コレッジに入り、法学を学んだ。1955年から73年まで、リンカーン・コレッジのフェロウを務める。その後、ケント大学教授、ミシガン大学教授等を歴任する。逝去したのは、2011年である。
 シンプソンの没後に刊行された著書に『『法の概念』に関する考察』がある。……

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