秋元由紀

About 秋元由紀

翻訳家、米国弁護士。著書に、Opportunities and Pitfalls: Preparing for Burma’s Economic Transition(Open Society Institute, 2006)、訳書に、イザベル・ウィルカーソン『カースト』(岩波書店)、エディ・S・グロード・ジュニア『ジェイムズ・ボールドウィンのアメリカ』、イアン・ジョンソン『信仰の現代中国』、アリ・バーマン『投票権をわれらに』、マニング・マラブル『マルコムX(上下)』、コーネル・ウェストほか『コーネル・ウェストが語る ブラック・アメリカ』、ウェイド・デイヴィス『沈黙の山嶺(上下)』、タンミンウー『ビルマ・ハイウェイ』(第26回アジア・太平洋賞特別賞受賞)、ベネディクト・ロジャーズ『ビルマの独裁者 タンシュエ』(以上、白水社)がある。

法+女性=変革! 『レイディ・ジャスティス』の舞台裏
第5回 アメリカでは投票するのも一苦労

アメリカ国内だけでなく海外からもたいへんな注目を集めている今年(2024年)のアメリカ大統領選挙。投票日は2024年11月5日(火)である。まだしばらく先のように感じられるが、実は一部の地域では先月半ばから投票が始まっている。各候補者は、明日にでも投票するかもしれない有権者を相手に演説などを行なっている。

法+女性=変革! 『レイディ・ジャスティス』の舞台裏
第4回 指名承認公聴会とは

『レイディ・ジャスティス』もそうだが、アメリカの政治や社会を扱う本には指名承認公聴会の話がよく出てくる。指名承認公聴会は、後述のとおり手続きとしてももちろん重要なのだが、のちに繰り返し引用されるような重大な発言がされたり、それまで知られていなかった事実が明らかにされたり、ドラマのような展開があったりして、情報源としても歴史上の出来事としてもなかなかおもしろいのである。…

法+女性=変革! 『レイディ・ジャスティス』の舞台裏
第3回 司法女子パワーのポッドキャスト

本書『レイディ・ジャスティス』の著者ダリア・リスウィックは弁護士資格を持つジャーナリストである。「訳者あとがき」にも書いたとおり、リスウィックはスタンフォード・ロースクール修了後、連邦の控訴裁判所で裁判官の調査官を務めた。その後はしばらくローファームで働いたが、1999年にオンライン雑誌『スレート(Slate)』でマイクロソフト独占禁止法違反訴訟を取材する機会を得たのが転機となり、以後はローヤーとしての知識を活かし、同誌で連邦最高裁判所などの動向や法に関する記事を書いているほか、テレビのニュース番組にも解説者として出演している。

法+女性=変革! 『レイディ・ジャスティス』の舞台裏
第2回 憧れのローヤーたち

アメリカのロースクールに行くことに決めた時点では、ロースクールを出て弁護士資格を取得してから何をするのかは漠然としか考えていなかった。人権や環境の問題に取り組む国際機関で働きたいとは思っていたけれど、当時はインターネットが今のように発達していなかったし、どういう組織があってどうやったらそこに入れるかを調べようにも、日本にいながらではごく基本的なこと以上は調べようがなかった。ただ、そういうことに関心があるなら国際機関が多く集まるワシントンDCにあるロースクールに行くといいよ、と知人が助言してくれたのを信じて、DCにあるロースクールに行く手続きをしていた。

法+女性=変革! 『レイディ・ジャスティス』の舞台裏
第1回 アメリカの弁護士たちは「海の底」?

日本では、弁護士となれば誰でも「先生」と呼ばれ、弁護士専用のバッジまであったりして、弁護士というものは特別な存在であるという印象をもたせる環境がある。それに比べると、アメリカ合衆国の弁護士の扱いは概して雑である。それには様々な要因があるのだろうが、弁護士の人数の多さも少しは関係しているかもしれない。

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