けいそうビブリオフィル – 勁草書房編集部ウェブサイト2025-03-27T00:28:05+09:00

新着記事

Series 連載・読み物

憲法学の散歩道
第45回 憧れるのはやめましょう──『虞美人草』とミメーシス

 夏目漱石『虞美人草』のヒロイン甲野藤尾は、24歳ながら、恋の駆け引きに長じている。彼女の英語の家庭教師を務める、恩賜の銀時計を得た文学士、小野清三を手玉にとる。 「愛の神は今が盛(さかり)である。緑濃き黒髪を婆娑とさばいて春風に織る羅(うすもの)を、蜘蛛の囲(い)と五彩の軒に懸けて、自(みずから)と引き掛る男を待つ。引き掛った男は夜光の璧を迷宮に尋ねて、紫に輝やく糸の十字万字に、魂を逆にして、後の世までの心を乱す。女はただ心地よげに見遣る*1。」  ある日の夕刻、藤尾は兄、そして兄の友人、宗近一とともに、不忍池の周辺で催された博覧会に出掛ける。たまたま見掛けたのが、かつて京都で世話になった井上父娘を博覧会見物へ案内する小野だった。漱石は、井上小夜子の美貌を描く。

By |2025/12/2|
ジャーナリズムの道徳的ジレンマ
〈CASE 26〉内部告発者の悲劇とジャーナリストの称賛

自分が所属する組織の不正を知ってしまったとき、わたしたちはどういう行動をとろうとするでしょうか。もし「内部告発」するとしたら、どこに? どのように? そしてジレンマを抱えた告発者にジャーナリストはどう対峙し、何を考えるべきでしょうか?[編集部]

By |2025/7/8|
憲法学の散歩道
第44回 君主制原理vs国家法人理論──ゲルバーの場合

 カール・フリードリヒ・ゲルバーは1823年、チューリンゲンに生まれた。ライプツィヒ大学とハイデルベルク大学で法学を学び、弱冠23歳にしてイェナ大学の教授となった。その後、エアランゲン大学、チュービンゲン大学を経て1863年、ライプツィヒ大学教授となった。逝去したのは1891年である。学外では、ヴュルテンベルク王国の上院議員、ザクセン王国の首相等を務めている。ゲルバーはドイツ近代公法学の父と目されている。……

By |2025/4/1|
憲法学の散歩道
第45回 憧れるのはやめましょう──『虞美人草』とミメーシス

By |2025/12/2|

 夏目漱石『虞美人草』のヒロイン甲野藤尾は、24歳ながら、恋の駆け引きに長じている。彼女の英語の家庭教師を務める、恩賜の銀時計を得た文学士、小野清三を手玉にとる。 「愛の神は今が盛(さかり)である。緑濃き黒髪を婆娑とさばいて春風に織る羅(うすもの)を、蜘蛛の囲(い)と五彩の軒に懸けて、自(みずから)と引き掛る男を待つ。引き掛った男は夜光の璧を迷宮に尋ねて、紫に輝やく糸の十字万字に、魂を逆にして、後の世までの心を乱す。女はただ心地よげに見遣る*1。」  ある日の夕刻、藤尾は兄、そして兄の友人、宗近一とともに、不忍池の周辺で催された博覧会に出掛ける。たまたま見掛けたのが、かつて京都で世話になった井上父娘を博覧会見物へ案内する小野だった。漱石は、井上小夜子の美貌を描く。

ジャーナリズムの道徳的ジレンマ
〈CASE 26〉内部告発者の悲劇とジャーナリストの称賛

By |2025/7/8|

自分が所属する組織の不正を知ってしまったとき、わたしたちはどういう行動をとろうとするでしょうか。もし「内部告発」するとしたら、どこに? どのように? そしてジレンマを抱えた告発者にジャーナリストはどう対峙し、何を考えるべきでしょうか?[編集部]

コヨーテ歩き撮り by 管啓次郎
Published On: 2025/12/8
Published On: 2025/11/17
Published On: 2025/11/4
Published On: 2025/10/20
Published On: 2025/10/6
Published On: 2025/9/22
Published On: 2025/9/8
Published On: 2025/8/18
Published On: 2025/8/4
Published On: 2025/7/22

Columns 既刊書やブックガイドなどをご紹介します

勁草書房の新刊

Loading RSS Feed

お知らせ

2016年1月上旬よりスタートした勁草書房編集部によるウェブサイト『けいそうビブリオフィル』が2024年6月にリニューアルしました。
ウェブサイトのタイトルには、私たちの書籍を通じた「知に対する愛」を込めました。ぜひ応援してください。

発売日や更新日を確認することができます

Go to Top