連載・読み物

コヨーテ歩き撮り#251

初夏の山形の山道で出遭ったふしぎな花。葉緑素をもたず、その白さは幽霊じみている。菌類から栄養をもらって生きている、その名はぎんりょうそう(銀竜草)だって。 I came across this spooky-looking flower on a mountain path in Yamagata in May. It lacks chlorophyll and its whiteness is ghostly. It draws nutrients from fungi. It’s called "Silver Dragon Grass” in Japanese and the English name I think is Indian Pipe. A friend told me it was Emily Dickinson’s favorite flower!

憲法学の散歩道
第48回 potestasとpotentia

 立憲主義(constitutionalism)は、政治権力を憲法によって制限する。その場合の憲法は、憲法典というまとまった法典の姿形をしているとは限らない。イギリスに憲法典はないが、それでも立憲主義国家である。  立憲主義は、統治者の権限(potestas)を制限する。統治者にとっては、邪魔で余計な制限であるように見えるであろう。できることなら、憲法を無理やり変えてでも制限をかなぐり捨てたいと思うのではなかろうか。……

憲法学の散歩道
第47回 カントにおける刑罰の機能と正義

 次の一節は、カント『人倫の形而上学』の中で、もっとも有名なものの一つであろう。
 人を殺害したのであれば、死ななくてはならない。これには正義を満足させるどのような代替物もない。苦痛に満ちていようとも生きていることと死のあいだに同等といえるところはなく、したがって、犯人に対し裁判によって執行される死刑以外に、犯罪と報復とが同等になることはない。ただしその死刑は、処刑される人格における人間性に残忍となりかねない方法で行われてはいけない。……

コヨーテ歩き撮り#245

アムステルダムには彼に会いに行った。スピノザ、哲学者たちのプリンス。「あらゆる哲学者には二つの哲学がある。自分自身の哲学と、スピノザの哲学だ」(ベルクソン)。石になった彼の足元にはこの言葉がある。”Het doel van de staat is de vrijheid.” (国家の目的は自由だ)忘れるな、忘れるな! I went to Amsterdam to see him. Spinoza, the prince of philosophers. “Every philosopher has two philosophies, their own and Spinoza’s,” Bergson famously said. Now petrified, you read this sentence at his pedestal: “The goal of the state is freedom.” Let’s not ever forget that!

ごはんをつくる場所には音楽が鳴っていた――人生の欠片、音と食のレシピ〈20皿め〉

羽田空港を離陸し東京上空から河川を眺めれば、山間地から海へ流れゆくその道筋に、地形という奇跡の上で人類の生活が成り立つという当たり前のことを改めて目の当たりにする。 西へ進み富士山を通過、琵琶湖湖面の輝きにため息をもらす。その北西には福井、年縞で有名な水月湖がある。淡水、海水、汽水の中で悠々と生きる生物たちの姿を想像したくなる。そして瀬戸内に入れば多島美の景。四国山間を抜け、交通網がなかった時代に、さて空海はこの四国の地形をどのように歩き、やがて中国へ渡り、のち高野山へとたどり着いたのか。……

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