あとがきたちよみ
『危機対応学』

About the Author: 勁草書房編集部

哲学・思想、社会学、法学、経済学、美学・芸術学、医療・福祉等、人文科学・社会科学分野を中心とした出版活動を行っています。
Published On: 2018/10/5

 
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東大社研・玄田有史・有田伸 編
『危機対応学 明日の災害に備えるために』

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序章 危機対応学とその調査について
 
玄田有史・有田 伸
 
1 危機対応学とは
1─1 危機への漠然とした不安

 危機対応学は、社会に発生するさまざまな危機について、そのメカニズムと対応策を社会科学の観点から考察する新たな学問である。それは二〇一六年度から開始された、東京大学社会科学研究所(以下、社研)全体を挙げての研究プロジェクトである。「危機対応の社会科学」というのが、社研内での正式名称だが、通称として危機対応学という呼び方が使われている。
 社研は、太平洋戦争の終戦翌年に設立され、危機対応学開始の二〇一六年度が、ちょうど節目の七〇年目であった。研究所は設立以来、三つの目標を掲げて活動している。それは「日本の現実だけでなく諸外国の実情をも正確に把握し比較すること」「社会科学分野における学問的総合研究を行うこと」「理論と実際との結合を考え、学問研究を国民生活の基底まで浸透させること」である。そこには、戦争という人類にとっての最悪の危機を、学問の観点から防ぎきれなかったことへの、大学の役割に関する痛切な反省が根底にある。
 このうち、国民生活につながる学問として、社研では「全所的プロジェクト」という総合研究を五〇年以上続けてきた。社研は法学、政治学、経済学、社会学の研究者約六〇名(1)から構成される研究所だが、分野の垣根を超え、生活の向上に資する学際的な研究を旨としている。三年から五年をかけて一つのテーマに社研を挙げて取り組む全所的プロジェクトでは「基本的人権」「戦後改革」から始まり「転換期の福祉国家」「二〇世紀システム」「ガバナンスを問い直す」など、時代のニーズにあわせたテーマがつねに選ばれてきた。
 全所的プロジェクトのテーマは、「今現在、国民にとって最も重要な社会的課題とは何か」を、所内で議論を積み重ねた上で、慎重に決定される。二〇〇五年度から二〇〇九年度にかけて全所的プロジェクトとして実施された「希望の社会科学(希望学)」では、その目的が次のように述べられている(2)。「二一世紀に入り、『希望がない』という言葉をよく耳にするようになった。理由は何なのか。希望は、個人の心の領域にあるが、同時に社会の有り様ともかかわっているはず。どんな社会に希望は生まれ、失われるかを考えるのが、希望学だ。」
 希望学は「希望がない」という多くの生活者が発する言葉や思いに向き合うことが契機だったのと同様に、危機対応学は、現代の多くの人々が「危機に対応できそうにない」という漠然とした不安を抱いているのではないかという問いから着想されたものである。危機には、戦争、侵略、恐慌、不平等、人口減少、環境問題といった社会全体を脅かすものもあれば、健康、家族、仕事、教育、地域、人間関係にまつわる困難など、個人の生活に直結するものまでさまざまである。さらにいえば、明確な危機だけではなく、なんとなく不安を抱えているが、その実態をはっきりとは認識できない危機もしくは危機意識も、少なからずあるかもしれない。危機対応学では、人々によって構築された社会システムと密接にかかわりながら発生する、あらゆる意味での危機を考察対象としていく。
 個々や状況などによって意味合いは異なるが、いずれにせよ、「社会、組織、集団、個人等の存立基盤が崩壊する可能性のある事態」が危機として一般的には捉えられよう。そして崩壊の可能性を前にして「なんだかよくわからない」「どうにもならない」「どうしようもない」といった諦念や厭世気分が、多くの局面で社会に広がっていないだろうか。危機対応のうち、対応を特定の事態に対する「なんらかの決定および行動」とするならば、危機とは一体何なのか、そしてそれにふさわしい決定や行動とは何なのかを、想定すること自体が困難となっているというのが、現代日本社会の特徴なのかもしれない。
 このような時代認識の下、危機の存在そのものはいかにして想定される(されない)のか、そしてそれに対するふさわしい対応はいかに実行できる(できない)のかといった問いを、社会科学の知見を総動員して考察すべく、危機対応学は開始された。
 危機対応学は、研究者がみずからの学問的な興味や関心を満たすことだけを目的としているのではない。その最終目的は、危機への対応方法とそれがもたらす帰結について、その情報を必要としている一人でも多くの人に届けることにある。そこで想定されるのは、危機に直面する当事者だけでなく、人々が危機に瀕するのを回避したり、危機的状況にある人々を救済することを目的とする組織(政府、自治体、企業、非営利団体等)にて日々対応に努力している支援者等も含まれる。
 
1─2 危機対応学の四つの視点
 文字通り、危機への対応を調査研究するのが危機対応学であるが、その特徴は「危機対応の社会科学」という正式名称に顕著に表れている。すなわち政治学、法学、経済学、社会学といった社会科学という観点から危機対応を考察するのが、危機対応学である。
 現在、危機対応学に参画する研究者が検討している内容の一例を紹介すれば、憲法改正、事情変更法理、民事責任法、会社法改正、日中関係、キューバ危機、金融規制、財政危機、電力問題、炭鉱問題(明治期)、震災復興、移民問題、家族問題などが挙げられる。いずれも各自が熟知する社会科学の研究領域について、危機対応という観点から新たな解釈や発見を模索しているところである。
 このうち、本書が取り扱うのは、将来、日本国内で発生する可能性の大きい自然災害という危機に対する人々の意識、価値観、行動に関するものである。その分析のアプローチは、社会学を中心に、法学、経済学の研究者も加わった学際的な総合研究となっている。
 危機対応学では、各自が個々の分野で研究を進めると同時に、四つの視点を共有しながら議論を積み重ねてきた。それらは「事前と事後」「個別と集団」「確率と意識」「事実と言説」の四点である。
 危機への対応は、事態が生じる前の事前的対応と発生後の事後的対応に大きくは分類される。しかし、両対応は、多くの場合、独立した関係にあるのではなく、何らかのかたちで関連し合っている。事前の危機対応のあり方によって、危機後の対応が影響されることもあれば、ある危機に対する事後的対応のあり方が、将来の危機への事前的対応を左右することもある。事前と事後に適切な関係性が発見・構築されていれば、それだけ危機への対応も望ましいものとなるだろう(「事前と事後」)。
 さらに危機への対応として、個人がいかに最適な行動や選択を取ったとしても、社会全体の集団としてみたときに最適な結果をもたらすとは限らない。個別選択の総和が集団の行動と乖離する例としては、経済学が考察してきた、市場の外部性や公共財使用に関する混雑現象、マクロ経済における消費に関する合成の誤謬などが、わかりやすい。これらの観点は、非効率な資源配分や不況からの脱出困難といった経済的危機の原因となるが、他の種類の危機の考察にも応用できる可能性もある。その上で、個別と全体がともに望ましい状態を実現する危機への対応を明らかにすることが求められる(「個別と集団」)。
 高度情報社会においては、将来の地震確率など、自然科学の知見に基づく危機が生じる客観的な確率に関する最新情報などを、日常的に目や耳にすることも珍しくない。一方、災害の発生が確率的に高かったとしても、それを潜在的な当事者が十分に意識していなかったり、意識が行動につながっていないということも、同じく珍しくないだろう。リスク管理という観点からの客観的な確率情報の提供も、それを的確に受け止め、かつ適切な行動につなげなければ、危機対応は不十分となる。だからこそ、人々の意識や価値観とそれに基づく人間行動の考察といった社会科学的考察が、危機対応には不可欠である(「確率と意識」)。
 危機対応については、「それが本当に危機なのか」という根本的な問いも含まれる。客観的な事実として危機が忍び寄って来ていることもあれば、実際には危機は生じていないにもかかわらず、なんらかの目的のために、実態に基づかないまま危機という「言説」(意見・説明)だけが独り歩きしていることもあるかもしれない。政治で用いられる「緊急事態」といった言葉など、事実と言説の間にある典型だろう。危機に適切に対応していくには、事実と言説を見極められるだけの知恵が、社会に生きる一人ひとりに求められることになるし、そのためのヒントを提示するのも社会科学の役割である(「事実と言説」)。
 本書の分析にも、これらの四つの視点を意識しながら考察を進めた成果が豊富に含まれている。なかでも将来の自然災害を想定した「事前と事後」および「確率と意識」の視点を中心に、独自に実施したアンケート調査を用いた、詳細な実証分析を行っている点に本書の特徴がある。
 
2 本書の特徴
 その上でさらに本書の特徴として、次の二点も挙げられる。
 第一に本書は、今後自然災害という危機が起こった際に生じ得る問題に適切に対処するために、「今」何をすべきか、何を考えるべきかについて議論し、その指針を具体的に示すことにある。かといって本書は、単に災害への完璧な備えを啓蒙的に呼びかけたり、つねに適切な判断と行動ができる「強い人間」になるべきと声高に主張するものではない。むしろ、自然災害に対する意識や行動がなぜ不十分とならざるを得ないのか、個人の努力だけではどうにもならないことも多い社会構造などを念頭に置きつつ、その背景を丹念に明らかにしていく。
 あわせてその考察のなかでは、災害が実際に生じた際に、復旧・復興に向けて資源の効率的な配分が重要になるだけでなく、人々の間にいかに限られた資源を分配するべきかという公正性の問題に否応もなく直面することになる。一例として、自然災害後の避難者の施設への入居を円滑に進めるには、どのような人々が優先されるべきかといった平等観や公正観の理解は欠かせない。災害からの復旧や復興を効率的かつすみやかに実現すると同時に、どのような公正上の問題が生じるかを、あらかじめ認識しておくことは、危機に対応するための合意形成にとって不可欠である。そこに社会的な公正を論じてきた社会科学の知見が存分に活かせる余地は大いにある。
 加えて本書では、地域への愛着や微小確率に対する主観的意識の形成など、人間理解の観点から危機対応を総合的に検討しようとする点において、災害とそこからの復旧・復興を論じてきた都市工学などの自然科学の類書とは、一味違う広い射程を持っていることも、特徴の一つとなっている。
 第二に、本書では以上の問題を議論する上で、うまく状況に対応・対処できない人々など、危機に際して特に不利を被る可能性のある主体に焦点を当て、それらが抱える問題の解決を考えていこうとするものである。その一例として、社会的に孤立していたり、世帯所得や自助努力などに制約を有する状況では、否応もなく災害への対応が不十分なものとなりがちなことなども、本書では示される。不利を被るおそれのある人々の状況を一朝一夕に改善するのが困難だとしても、あらかじめ多くがその事実を冷静に認識していたとすれば、危機後の不毛な混乱を回避し、困難者への共感を社会的に醸成することも期待される。
 危機的状況において、とりわけ深刻な問題を抱えることになったり、第三者からの援助を受けづらいような、困難に直面する人々を重点的な視野に入れた危機対応学を展開する点が、本書のもう一つの特徴といえよう。
 このような特徴を本書が持つに至ったのには、危機対応学の実証研究として社研が実施した独自のアンケート調査の存在が大きい。そこで以下では、まずこのアンケート調査の概要について述べておきたい。
 
3 釜石の経験を踏まえた調査
3─1 調査の経緯
 以上の意図をもって開始された危機対応学プロジェクトは、さまざまなアプローチを通じて進められてきた。その一つが社会調査(アンケート調査)の実施とそのデータ分析である。社研は附属部門として社会調査・データアーカイブ研究センターを有し、社会調査の実施とデータ分析に熟達した多くの研究者が所属している。社会調査を通じ、危機あるいは危機対応に関する人々の意識や行動を明らかにしていくことは、社研の研究リソースの強みを生かした危機対応研究の一つの方向といえる。
 今回の調査では、先にも述べたように、世の中に存在するさまざまな危機のうち「自然災害」に焦点を絞り、この危機に対する人々の意識や行動について調べることとした。日本社会に生きる人々には、地震や津波をはじめとする自然災害が、自らにとっての「危機」としてまず思い浮かべられる場合が多いためである。
 たとえば、編者の一人である有田が、別の調査データを用いて行った分析によれば、「あなたの考える『危機』とは何ですか」という質問に対し、回答者の五五・四%が「自然災害・天災」を挙げた(複数回答)。この比率は「個人の生活・家計・経済状況に関する問題」(二九・三%)や「健康・生命に関する問題」(二六・一%)よりもはるかに大きい(3)。日本に暮らす私たちにとって、大きな地震や津波のように、いつ起こるか予想が難しく、かつ一度起これば甚大な被害をもたらす自然災害が「危機」として想定されやすいことには、多くがうなずくところだろう。
 さらに自然災害は、事前の準備やそれが生じた場合の事後の対処など、私たち一人ひとりにさまざまな「対応」を迫るものでもある。自然災害という危機に対して、人々はどのような意識をもっており、どのように対応しているのか、あるいは対応しようとしているのか。これらの問題に答えを出すことを目的の一つに、私たちは「将来に向けた防災意識・行動・価値観調査」(以降、危機対応学調査)を実施することとした。
 この危機対応学調査の特徴の一つは、調査の設計に際し、過去に大きな自然災害が生じた岩手県釜石市の経験を踏まえている点にある。東大社研は、以前実施した全所的プロジェクト「希望学」以来、釜石において継続的に地域調査を行っており、現在でも強いつながりを持っている(4)。釜石は、二〇一一年の東日本大震災の際、他の三陸沿岸の多くの市町村と同様、大きな津波に襲われ、多くの人的・物的被害を被った。釜石の人々は、この危機にどのように対応してきたのか。危機対応学調査の実施メンバーは、釜石の市民や市役所職員からその際の経験について話を聞き、また過去の釜石調査の成果(5)を踏まえながら、自然災害という危機への対応に関して検討が必要な問題を洗い出し、具体的な質問を考えていった。さらに、調査票がある程度確定した段階で、市役所職員数名の方々とミーティングの機会を持ち、適切な調査票となっているかを、自然災害を体験した当事者の立場から意見をいただいた(6)。
 
3─2 調査の実施
 危機対応学調査の調査票は、「ふだんの生活における意識・行動・人間関係」、「災害が起こった際の意識・行動」、「過去の自然災害経験・防災に関する行動・防災と危機意識」、ならびに対象者の個人属性(性別・年齢・学歴・就業・所得・家族関係など)に関する質問によって構成されている(総分量はA4判、二三ページ、大問三八問)。
 この調査には、災害時の意識や行動のみならず、ふだんの生活における意識や行動についても多くの質問が含まれている。これは以下の各章の分析を通じて示されるように、「ふだんの生活における意識・行動・人間関係が、災害が起こった際の意識・行動、あるいは防災に関する行動等とどのように結びついているのか」という調査関係者の問題関心を反映している。
 さらに、この調査には、災害が起こった際に「自分や家族」がどのように対応すべきか、のみならず、「社会やコミュニティ」がどのように対応すべきか、についての意識をたずねる質問も多く含まれる。これも前述したように、危機の問題を社会のあり方と密接に関連付けながら考えていこうとするプロジェクトの方向性を示すものである。なお本調査の調査票は、本書の巻末ならびに危機対応学ウェブサイト本書専用ページ(http : //web.iss.u-tokyo.ac.jp/crisis/pub/books/post-1.html)に掲載してあるので、適宜ご覧いただきたい。このページには、各章の追加資料も併せて示されている。
 危機対応学調査は、日本全国に居住する二五歳から七四歳までの男女を対象として二〇一七年二月から三月にかけて実施された。対象者は、確率的に抽出された調査会社保有の調査パネル(日本リサーチセンタートラストパネル)に属するサンプルである(7)。これらのうち、年齢条件に合致する五五〇〇サンプルを、地域・年齢・性別による層別にランダムに抽出し、郵送で調査票を送付し、調査への協力を依頼した。
 回答済みの調査票は郵送により回収した。回収された調査票は二七五〇票であり、回収率は五〇・〇%だった。その後、コーディングとクリーニング作業を経たのち、本書の執筆者それぞれが分析に取り組んだ。さらに各自が分析を進めると同時に、その結果と本書の方向性について議論するための内部検討会を数回実施した後、東大社研における「危機対応学ワークショップ」(二〇一七年一一月一四日)、釜石市での公開ワークショップ「未来の自然災害に備えて~今、知っておくべきこと~」(二〇一七年一一月二五日)において分析成果を発表し、さらにそこで頂戴した意見やコメントなどを踏まえつつ、各自が論考を完成させた。
 その成果が、本書『危機対応学─明日の災害に備えるために』である。以降、危機への個々人や家族の備えや意識の問題を中心的に扱った第Ⅰ部と、危機をめぐる社会構造の問題を広く扱った第Ⅱ部のそれぞれにおいて、本調査のデータ分析にもとづいた議論が展開されていく。最後に終章において本書全体を通じた発見と示唆される内容について整理している。
 本書全般を読んでいただければ、自然災害に対する個別の意識、行動、価値観などが、集団としての社会固有の構造と密接不可分なかたちで結び付いていることを深く理解いただけると思う。読み終えた方々が危機対応学から得られた気づきを、それぞれの生活や仕事に少しでも活かしていただけるとすれば、編者および各章の執筆者にとって望外の喜びである。
 

(1)教授、准教授、講師、助教、学術支援専門職員、特任研究員、客員(准)教授などを含む。詳細はhttp : //jww.iss.u-tokyo.ac.jp/mystaff/index.html を参照。そしてその研究活動は、精鋭の研究所職員の方々によって支えられている。
(2)東京大学『淡青』(第三三号、二〇一六年九月、一四頁)
(3)有田伸「ひとびとの考える『危機』とは何か?──社研パネル調査自由記述回答の分析」(危機対応学ディスカッションペーパーNo.2、二〇一七年、http : //web.iss.u-tokyo.ac.jp/crisis/images/dp2_arita.pdf 最終閲覧二〇一八年七月三日)。
(4)希望学の釜石調査については、東大社研・玄田有史・中村尚史編『希望学2 希望の再生─釜石の歴史と産業が語るもの』(東京大学出版会、二〇〇九年)ならびに同編『希望学3 希望をつなぐ─釜石からみた地域社会の未来』(東京大学出版会、二〇〇九年)を参照。またこれらの関係を生かし、二〇一六年には釜石市とともに「危機対応研究センター」を開設した。
(5)たとえば、東大社研・中村尚史・玄田有史編『〈持ち場〉の希望学─釜石と震災、もう一つの記憶』(東京大学出版会、二〇一四年)など。
(6)貴重な時間を割いてくださった釜石市役所の方々にこの場を借りてお礼申し上げたい。さらに本調査の実施前には、東大社研の教職員の協力のもと、最終的な調査票の検討とプリテストを行った。尚、調査内容については研究倫理審査の申請を行い、所内に設置された研究倫理審査委員会による審査の結果、承認を得ている。その上で本調査内容に対する批判や疑問等があるとすれば、それらに回答すべき責任と義務は、本書の編者をはじめとする社研の危機対応学プロジェクト関係者のみにある。
(7)この調査パネルは日本全国の地域ブロック、ならびに市郡規模を組み合わせた層別に地点抽出を行い、地点毎にエリアサンプリングを通じてランダムに対象者の抽出を行った調査の協力者をパネル化したものである。なお同パネルに関してはhttp : //www.nrc.co.jp/service/trust.html を参照(最終閲覧二〇一八年七月三日)。
 
 
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