あとがき、はしがき、はじめに、おわりに、解説などのページをご紹介します。気軽にページをめくる感覚で、ぜひ本の雰囲気を感じてください。目次などの概要は「書誌情報」からもご覧いただけます。
峯 唯夫 著
『33のテーマで読み解く意匠法』
→〈「はしがき」(pdfファイルへのリンク)〉
→〈目次・書誌情報・オンライン書店へのリンクはこちら〉
》Unit 8を全ページ追加公開しました!⇒【Unit 8 画像】(pdf)
*サンプル画像はクリックで拡大します。「はしがき」本文はサンプル画像の下に続いています。
はしがき
知的財産を学ぶ人たちにおいて、意匠法は取っつきにくい、分かりにくいと感じている人が多いように思います。本書は、そのような人たちにも、意匠ってこういうものなんだ、意匠法って難しいものではないんだ、と意匠・意匠法を身近に感じ、理解してもらうことを目的としています。
そこで、Chapter 1「デザイン保護と意匠法」では、法律を離れて、デザインとはどういうものであるのか、どのようにして創作されるのか、ということを詳しく説明し、Chapter 2「意匠法と周辺法」では、知的財産法の中における意匠の保護を、周辺法との関係を、具体例を交えて説明しています。これらを読むことによって、意匠・意匠法の知的財産法の中における位置づけを理解することができると思います。Chapter 1、Chapter 2 を理解した上でChapter 3 以降の各論に進むと、意匠法の全体像を無理なく理解頂けるものと思います。
本書は、意匠法の重要なテーマを抽出した33 のUnit で構成されています。各Unit は基本的に、「設題」「参照条文」「解説」「設題の検討」の項目で構成してあります。設題と条文を読み、自分で考えてみてください。その上で、解説によってUnit のテーマに関する学習をし、その後もう一度設題を考えてください。最後に設題の検討を読むことで、知識が整理されると思います。
このように、本書は、読んで覚えるだけの本ではなく、読んで考える仕組み(これも「デザイン」です)の本です。そして、設題により、条文解釈だけでなく、具体的場面への当てはめも考えることができ、当てはめを考えることによって、条文解釈が記憶に定着します。
弁理士試験受験生にとっては、設題を論文試験の問題に見立てて利用することもできると思います。実務で意匠を扱っている方は、各Unit 末尾の「実務のためのひとこと」が参考になると思います。
本書によって、読者の方々が意匠・意匠法を身近に感じ、理解し、ひいては意匠制度が活性化することを希望しています。
本書は、『意匠法コンメンタール〔新版〕』の執筆中にお話しを頂き、2019 年5 月のデザインと法協会の設立記念パーティーでお目にかかって企画が具体化しました。気がつくと4 年経過し、令和元年の改正意匠法も軌道に乗っているようです。その間お世話頂いた編集部の中東小百合様に感謝いたします。
2023 年5 月
峯 唯夫