3:: 実際の事例と考察
相反する考え方がにらみ合う場面を離れ、一歩引いて冷静に見下ろし、この事例をすこし学問的に考察してみたい。
●――完璧なシステムは制作不可能
政府は2000年に「情報セキュリティ対策推進室」を内閣官房に設けて検討を重ね、2005年には「情報セキュリティーセンター(NICS[*1])」を開設した。2014年に「サイバーセキュリティ基本法」が成立したことを受け、翌2015年に「内閣サイバーセキュリティセンター」へと改組し、各省庁との総合調整をおこなっている。
防衛省は『令和5年版防衛白書』で「サイバー領域は、国民生活にとっての基幹インフラであるとともに、わが国の防衛にとっても領域横断作戦を遂行する上で死活的に重要」と記し[*2]、内外からの「サイバー攻撃」に対する自衛力向上の必要性を強調した。警察庁も『令和5年版犯罪白書』で「不正アクセス」の認知件数が増加傾向にあることや、近年のサイバー攻撃ではランサムウェア[*3]による被害が拡大していると警鐘を鳴らした[*4]。
官公庁や民間企業ではホワイト・ハット(white-hat hacker)と呼ばれるセキュリティ専門のハッカーを雇い入れたりして[*5]、サイバー攻撃からのシステム防衛に備えることが必須となっている。しかし、人間によって機密データが持ち出される例もあれば、それまで正常に作動していたプログラムが突然システムダウンした事故も頻繁に起きてきた。コンピュータの利便性を享受するには、リスクも引き受けなければならないということだろう。
●――判断が分かれた犯罪事件への関与
2012年夏から秋にかけて、東京、大阪、三重、福岡の4人の男性や少年が、威力業務妨害などの疑いで相次いで逮捕された。のちに、4人のパソコンから「遠隔操作型ウイルス」が検出され、誤認逮捕だったことが判明した。警察は翌2013年、4人のパソコンにウイルスを感染させ、遠隔操作していたとして、当時30歳のIT関連会社社員を「真犯人」とみて逮捕した。事件は、ふつうのネット利用者のパソコンが乗っ取られる危険を知らしめることになり、報道合戦も熱を帯びた。
そんな中、朝日新聞社の3人の記者と共同通信社の2人の記者が、不正アクセス禁止法違反の罪で書類送検された。記者らは弁護士から入手した犯行声明から、事件に使われたメールサーバーに接続したが、いずれも起訴猶予となった。取材記者が送検されたことについて、朝日新聞東京本社社会部長は、「『真犯人』と名乗る人物による犯行声明メールについて、本物か否かを確かめるため(中略)正当な取材の一環」、共同通信社会部長も「形の上で法に触れる可能性があるとしても、事件の真相に迫るための取材活動」とそれぞれコメントした[*6]。
何者かがシステムにアクセスすれば、たいていの場合、記録は残る。朝日新聞社と共同通信社の記者たちは、そのリスクを引き受けるだけの価値があるニュース素材を探していたのかもしれない。ただ、実質的に捜査に悪影響を及ぼすこともなかったし、新たな事実を発掘することもなかったが、この一件はサイバー犯罪の取材における教訓を残したことは間違いない。
●――コロナ禍で見られた検証報道
2021年5月には、防衛省が運用する新型コロナウイルスワクチンのネット予約システムの不備を複数の大手メディアが検証報道し、政府から「極めて悪質」と抗議された。
新型コロナウイルス感染症は、2020年1月に国内初の患者が確認されて以降、爆発的に広がった。その後開発されたワクチンの接種は順調に進んだとは言えなかった。布マスクを全世帯に配布するアベノマスク騒動などで支持を失った安倍晋三が9月に首相を辞任。国民の不安と不満が高まっていた翌年5月、国(防衛省)がワクチン接種のネット予約を開始したところ、予約システムにお粗末な欠陥があったことを、日本経済新聞社系の情報サイト「日経クロステック」、朝日新聞社のニュースサイト「AERA dot.(アエラドット)」、『毎日新聞』の3つのメディアが検証する形で報じた。
毎日新聞デジタル版のリード部分には次のような言葉が記されている[*7]。
……実際の接種券に記載されていない架空の数字を入力しても予約ができることを、毎日新聞記者が複数の数字で確認した。予約の対象は65歳以上だが、65歳未満となる生年月日を入力しても予約できることも確認。架空の数字を使って予約枠を「占拠」することもできるとみられ、予約システムの信頼性が問われそうだ。
●――元検事は検証報道のメリットを重視
報道の翌日、当時の防衛大臣岸信夫は、アエラドットと毎日新聞記者に対して「不正な手段により予約を実施した行為は、本来のワクチン接種を希望する65歳以上の方の接種機会を奪い、貴重なワクチンそのものが無駄になりかねない極めて悪質な行為」と非難し、この発言を安倍晋三が引用して「朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯と言える」というコメントを付けてソーシャルメディアで拡散した。
問題発覚から数日後に、ジャーナリストの江川紹子はYahoo! ニュースに「「ワクチン予約システムに⽋陥」〜この報道は犯罪︖不適切︖」と題する記事を寄稿した[*8]。江川は、元検事で弁護士の落合洋司・郷原信郎・若狭勝に『毎日新聞』などの検証報道について見解を求めた。落合弁護士は「ギリギリ許容される取材活動(中略)処罰の対象にはならない」、郷原弁護士は「違法性が阻却されます(中略)問題が明らかにされたメリットの⽅がはるかに⼤きい」、若狭弁護士は「報道のための調査で⾏ったことであれば、犯意、つまり妨害の意図はない」と答えた。記事の結びとして江川は「政府の施策を検証することは報道機関の使命」という朝⽇新聞出版社のコメントと、「公益性の⾼さから報道する必要があると判断」という毎日新聞社の見解を紹介した。
●――胸に刻みたい福島菊次郎の至言
昭和の事件記者たちは刑事と同じように「現場百遍」「足で稼げ」などとシゴかれた。21世紀に入っても「夜討ち朝駆け」と言われる密着型の取材習慣がなくなったわけではないが、現代のジャーナリストにはサイバー空間も重要な取材現場になっている。ITリテラシーも欠かせない。スマートフォンなどの情報端末が人々の生活必需品となったことで、ネットを介した新しい犯罪が次々発生しているし、大規模なシステム障害が思わぬ規模で市民社会に影響を及ぼすようになった。
セキュリティ不備によるデータ流出や個人情報の漏洩は、政府機関や金融機関、大企業、研究機関など、あらゆる組織で発生し続けてきた。諜報活動やプロパガンダもサイバー空間で展開されるようになっている。そんな時代にあって、ハッカーのような知識と技術をもつ情報源や、情報技術に詳しい取材者が活躍する場面は確実に増えている[*9]。
サイバー空間における事件や不祥事は外から見えづらく、関係者の間で密かに“手打ち”や“揉み消し”がおこなわれれば、わたしたちが被害に遭っていたとしても知るすべがない。とりわけ特定秘密保護法が2014年に、経済安全保障推進法が2023年に施行されている現在、報道関係者は嫌でもリスクを意識させられる。とくに秘密保護法では、防衛や安全保障、テロなどの分野が秘密とされているが、明確な基準が明らかにされていない。このため、マスメディアへの外部通報(内部告発)が「違法」「非合法」とされる危険性があるだけでなく、テロの標的となるとされる原発関連の情報や、警察の外事・公安情報などに関する取材が困難になることなどが懸念されている[*10]。
こんな時代だからこそ、報道写真家・福島菊次郎が遺した言葉をあらためて胸に刻んでおきたい。
「問題が法を犯していれば、カメラマンは法を犯してもかまわない」[*11]
映画『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳 』によると、1921年に山口県下松市に生まれた福島は、原爆投下の5日前に広島から宮崎に移送され、米軍上陸を阻止する自爆攻撃要員になる予定だった。戦後カメラを手にしてからは、広島の被爆者、安保闘争、学生運動、三里塚問題、公害問題などの現場を撮り続けた。映画の中で福島は、事前検閲の約束のもとで自衛隊内部を撮影しておきながら、作品をそのまま公表したことを誇らしげに語っていた。
社会的少数者の権利が無視されようとするとき、他国に対する攻撃的な世論が沸きあがりはじめたとき、市民の権利が次々と制限されようとするとき、権力が暴走して戦争の準備を始めようとするとき……。それでも報道は法に縛られるべきだろうか。
4:: Move Forward 一歩先へ
思考実験と異論対論に続いて、もう一歩先の思考に挑戦してみたい。
今回の思考実験では、1人の記者が報道すべき重要な情報を掘り当てたが、その過程で法に触れた。政府の情報管理に欠陥があるかどうかを検証するため不正アクセスをした。純粋に報道を目的として法令違反することの是非を考えるために、どんな道具が利用できるだろう。
◆――法と道徳、4つの組み合わせ
わたしたちの行動規範になっているのは、おもに法と道徳の2つといってよい[*12]。法と道徳。この2つの規範の組み合わせは、[合法かつ道徳的][合法かつ不道徳][違法かつ道徳的][違法かつ不道徳]の4つだ。このカテゴリを用いて、人間がおこなった特定の行為を判定するとき、わたしたちをそれほど悩ませないのは[合法かつ道徳的]と[違法かつ不道徳]に分類される行為だろう。2つの規範が重なり合うこと、つまり、法的にも道徳的にも良い行為と、ともに悪い行為は、わたしたちの直観に合致する。
難しいのは2つの規範が相反する[合法かつ不道徳][違法かつ道徳的]というケースだ。[合法かつ不道徳]という行為は、日常のさまざまな場面でおこっているはず。身近な例をいくつか挙げてみよう。座席が埋まっている電車内で「ヘルプマーク」を付けた人が目の前にいるのに、見て見ぬふりをしたり、寝たふりをしたりするような行為は違法でないけれど、困っている人への気遣いや慈悲の心を欠いている。無自覚のうちに特定の人たちに対して抱く偏見とされるアンコンシャス・バイアスや、何気ない素振りで人を不快にさせるマイクロ・アグレッションも美徳からほど遠い行為だが、よほど執拗に繰り返さない限り、法に問われることはない。
かつては合法とされた行為が、法改正で違法に転じた例もある。優生思想に基づいて約2万5000人の障害者に実施された強制不妊手術は「戦後最大の人権侵害」と言われるが、旧優生保護法の下では合法的で道徳的であった。しかし、手術を拒否した人や家族がいたことが調査報道で明らかになり[*13]、その手術を残忍で非人道的なものと感じていた人がそれなりにいたことが推察できる。
[違法かつ道徳的]の具体例を身近なところで見つけるのはなかなか難しい。人種分離法(ジム・クロウ法)が施行されていた1950年代のアメリカで白人に席を譲るのを拒んだ裁縫師ローザ・パークスや、ナチス政権下のドイツで1200人のユダヤ人の命を救ったとされる実業家オスカー・シンドラーのような人たちの行為は、当時としては違法であったが、道徳的だったといえるだろう。そんな偉人の話を持ち出さなくても、良心的兵役拒否(conscientious objection)が認められていなかった時代のヨーロッパの国々で戦争反対の意志を曲げずに投獄された無名の人々の行為を誰も不道徳だとなじりはしないだろう。
思考実験で検討したハッカーのジャーナリストは、違法行為をしたが、そこにはニュース報道で社会の課題を解決しようという善い動機があった。その行為は、違法な部分があったが、報道目的のためであり道徳的と言えよう。
だが、社員が善い動機で不正アクセスして取材したことと、それを組織として報道することは、次元が異なる。組織としてニュースを発信するとき、社員が検証のためにサイバー犯罪をしたことを明記しなければならず、悪い結果をもたらしかねない。だが、そのおかげで政府の情報管理の欠陥を指摘することができ、公益を実現するという善い結果も期待できる。
◆――二重結果の原則(Principle of Double Effect)
1つの行為によって善い結果と悪い結果が生じる問題については、古くから宗教学や哲学の分野で議論されてきた。代表的なものとして、13世紀イタリアの神学者トマス・アクイナスの議論をルーツにする「二重結果の原則」がある。二重結果とは「同じ行為から帰結されると予測される善い結果と悪い結果」のことであり、その原則は「自己防衛の行為の他に、安楽死や堕胎の問題、戦時における非戦闘員の殺害、等々の事例に適用される」(弘文堂『倫理学事典』)。
オンライン版「スタンフォード哲学百科事典」[*14]によれば、「二重結果の原則」を適用するには4つの条件を満たしていることが前提とされており、条件については複数の論者の見解が記されている。それらを順に見ていく余裕はないので、さしあたり、日本の倫理学の入門書に記されている表現を引用しておく。
1 行為はそれ自体善いものであるか、少なくとも善くも悪くもないものでなければならない。
2 意図されている善は悪い結果によって獲得されてはならない。
3 悪い結果はそれ自体として意図されてはならず、単に許容されなければならない。
4 悪い結果を許容するのに釣り合うほどの重大な理由がなければならない。
(赤林朗・児玉聡 2018: 122)[*15]
「スタンフォード哲学百科事典」に戻って、この事典が解説する適応例のひとつ「テロ爆撃 vs 戦術爆撃」を見てみよう。テロ爆撃とは、敵国の戦意をくじく目的で民間人を意図して殺害する攻撃である。これに対し、戦術爆撃は民間人が巻き添えになるのは予見されるけれど、軍事目標を爆撃することが目的であり、民間人殺害は意図していない。仮に2つの爆撃で同数の民間人が死ぬとすれば、「二重結果の原則」は民間人を殺す意図があるテロ爆撃を許容しないが、民間人の死を予見しただけの戦術爆撃は許されるとみる。判断の分かれ目は、意図と予見である。
「安楽死 vs 死を早める鎮痛」の適用例では、末期患者に多量の鎮痛剤を注射して安楽死をさせるのは、患者の死を引き起こすことを意図しているため許されない。だが、同量の鎮痛剤を注射するとしても、患者の死が早まることは予見できるが、痛みを和らげることを目的にしている場合は許容されるという。
「二重結果の原則」には異論や批判があり、その全体像を簡潔にまとめるのは筆者の手に余るのでこのあたりにして、ふたたび思考実験の検討に戻りたい。
政府の情報管理に欠陥があり、個人情報が漏洩している危険性があるというニュースを発信するにあたり、ふたつの結果が予想される。社員が検証のために不正アクセスしたことを明記しなければならず、それは悪い結果をもたらす。一方、その報道によって政府の情報管理を正すという善い結果も期待できる。これを、上記の4条件に照らせば、このニュースを報道することは許容されるように見えるのではないだろうか。
[注]
*1 NICSはNational center of Incident readiness and Strategy for Cybersecurityの頭文字。
*2 防衛省『令和5年版 防衛白書』
(http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2023/html/n310405000.html)。
*3 「身代金要求型ウイルス」とも言われ,2024年にはKADOKAWAが被害に遭い、個人情報が漏洩したとする謝罪文を自社ウェブサイトに掲載した。KADOKAWA(2024.07.03)「ランサムウェア攻撃による情報漏洩に関するお知らせとお詫び」(2024年8月17日取得、https://tp.kadokawa.co.jp/.assets/240703_release_mRuGoqZ3.pdf)参照。
*4 警察庁『令和5年版 警察白書』(https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/70/nfm/n70_2_4_5_1_0.html)
*5 ハッカー(hacker)は、コンピュータの技に熟達した技術者を意味する。ただし、ハックする/ハッキングという言葉が、他人のコンピューター・システムに不正侵入するなどの犯罪行為を指す際にしばしば用いられた。悪質なハッカーをクラッカー(cracker)と呼び、組織防衛に従事するハッカーをホワイト・ハット(white-hat hacker)と区別される。
*6 朝日新聞「朝日・共同記者を起訴猶予 不正アクセス容疑、悪質性低いと判断」2013年08月24日
*7 毎日新聞デジタル「大規模接種ウェブ予約 架空の数字で登録可 券番号も、年齢も」2021年5月17日18:47;最終更新 5/17 20:35(2024年8月17日取得、https://mainichi.jp/articles/20210517/k00/00m/040/165000c)
*8 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/673cb1e93b04eda3f7ecb3e1d9231f04f136d5d0
*9 Philp, Rowan (2023), “Working With Hackers: Where ? and How ? Journalists Should Use These Sources”, Global Investigative Journalism Network, (Retrieved August 19, 2024, https://gijn.org/stories/best-practices-investigating-hacked-data/)
*10 国連人権高等弁務官事務所や日本弁護士連合会は秘密保護法の問題を厳しく指摘している。OHCHR(2013,Nov.22)“Japan: Special Secrets Bill threatens transparency”– UN independent experts”, Office of the High Commissioner for Human Rights’ Press Release, (Retrieved August 22, 2024, https://www.ohchr.org/en/press-releases/2013/11/japan-special-secrets-bill-threatens-transparency-un-independent-experts);日本弁護士連合(2013.11.26)「特定秘密保護法案の衆議院での採決強行に対する会長声明」(2024年8月22日取得、https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2013/131126.html)。
情報公開法や公文書管理法との関連で秘密保護法の問題を論じた文献としては以下のものが参考になる。浜田忠久・小川千代子・小野田美都江(2016)「社会的状況の国際比較による情報公開, 公文書管理, 秘密保護に関わる考察」『レコード・マネジメント』71, pp.3-23.
*11 長谷川三郎監督『ニッポンの嘘―報道写真家 福島菊次郎90歳』(ドキュメンタリージャパン、2012年)の冒頭で、福島は「DAYS JAPAN フォトジャーナリスト学校」で講演した場面が描かれる。福島の発言は以下の通り。「カメラマンのモラル、というのはね(この部分、言葉が不鮮明)失敗から、あと、いろいろ、法を犯すような取材の仕方はとんでもないということも世の中にはありますけども、でも問題自体が法を犯したものであれば、カメラマンはね、法を犯してもかまわないわけです。そういう状況を発表するのが必要なわけですね。(中略)われわれは写すべきなんです」。なお、写真誌『DAYS JAPAN』の発行元デイズジャパン社は、発行人広河隆一による性暴力事件が週刊誌報道で発覚し、2020年に破産申請したが、福島は広河の事件とは無関係である。
*12 宗教的な戒律を第一にして暮らしている修行者のような人もいると思うが、ここでは省略する。
*13 毎日新聞2018年3月22日朝刊「行政、執拗な説得 手術拒否する親「無知と盲愛」 開示資料に侮蔑の言葉:旧優生保護法を問う」、利光惠子(2019)「優生保護法のもとでの強制不妊手術と公文書」『立命館生存学研究』3, pp.129-142.
*14 Stanford Encyclopedia of Philosophy(2004, substantive revision 2023)“Doctrine of Double Effect,” (Retrieved August 15, 2024, https://plato.stanford.edu/entries/double-effect/).
*15 赤林朗・児玉聡(2018)『入門・倫理学』勁草書房.p.122
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