コヨーテ歩き撮り

by 管啓次郎

コヨーテ歩き撮り#86

イスタンブルの特徴、路上犬多し。アナトリア地方の牧羊犬が、こうして雑踏を行く野良になっています。大きくて、おとなしくて、美しい。なついてくるので連れて帰りたいと思うけれど、それはむり。この子がこれからどうやって生きてくのかと思うと、胸が潰れます。

コヨーテ歩き撮り#81

春のイスタンブル。肌寒い小雨の中、丘を登りつめるころには青空に変わり、そこにアヤソフィア(ハギア・ソフィア)が聳えたっていました。輝く建築。東方正教会、カトリック、モスク、そして世俗化。この場所を流れていった千数百年が、たちどころに甦ってくる思いです。

コヨーテ歩き撮り#77

青空を見ていると自分が帰ってゆくところがあるような気がする、みたいなことを書いた詩人がいたじゃない。その気持ちもわかるけれど、ほんとうはヒトは空には全面的に拒絶されている、閉め出されている。帰ってゆくべきところがあるとすれば、それは海。陽光がゆれ無限のパターンを生む、光の海。ハバナにて。

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