お知らせ

【お知らせ】2017年11月下旬より、山根純佳氏×平山亮氏の新連載“「名もなき家事」の、その先へ”スタート

 
次代を担うジェンダー研究者の応酬が、「ケアとジェンダー」の問題系に新たな地平を切り拓き、表層的な“平等”志向に陥らない「家族ケア」再編への道筋を示す――。
 
「ケアしない/できない男性」像の構築に、女性たちはいかに加担しているのか?
「家族ケアの責任は男女等しく」という訴えに忍び込む、ジェンダー不平等とは?

 
『介護する息子たち』著者・平山亮氏と、ジェンダー研究の俊英・山根純佳氏が交互に執筆し、日常に織り込まれたジェンダー不均衡の実像を描き出す。

 
『介護する息子たち』が提示した論点を敷衍し、新たなジェンダー理論の可能性をさぐる両氏による連載【「名もなき家事」の、その先へ――“気づき・思案し・調整する”労働のジェンダー不均衡】が、2017年11月下旬にスタートします。ご期待ください。[編集部]
 
連載の概要:
2017年2月刊『介護する息子たち』で、とくに多くの反響を集めたのが“sentient activity”、「感覚的活動」と名付けられた、ケアにおけるマネジメントとタスクをわける分析視点の紹介と、そのジェンダー不均衡でした。ケアワーク論で従来「気づき」と呼ばれてきたsentient activityには、平山氏の息子介護事例分析によって顕著なジェンダー不均衡があることが明らかにされました。
ツイッター上の「#名もなき家事」ハッシュタグなど、SNS上で現在注目を集めているこのsentient activityの全容を、介護や放射能汚染と母親の責務など、家事にとどまらぬ各種事例のケーススタディを通じて明らかにし、日常生活に織り込まれた見えないジェンダー不均衡を可視化すべく、11月下旬の第1回を平山氏が執筆し、その後、6つの同じテーマをお二人が月替わりで交互に書き下ろしていきます。これまで語りようにも言葉がなかったところへ切り込む、いま、この二人だからこその内容です。
 
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プロフィール:
山根純佳(やまね・すみか) 1976年生。東京大学院人文社会系研究科修士課程・博士課程修了し、博士(社会学)取得。2010年山形大学人文学部講師、同准教授を経て、2015年より実践女子大学人間社会学部准教授。著書に、『なぜ女性はケア労働をするのか 性別分業の再生産を超えて』(勁草書房、2010年)、『産む産まないは女の権利か フェミニズムとリベラリズム』(勁草書房、2004年)、『現代の経済思想』(共著、勁草書房、2014年)、『正義・ジェンダー・家族』(共訳、岩波書店、2013年)など多数。
 
平山 亮(ひらやま・りょう) 1979年生。2005年東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了、2011年オレゴン州立大学大学院博士課程修了、Ph.D.(Human Development and Family Studies)。現在、東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム研究員。著書に『迫りくる「息子介護」の時代』(共著、光文社新書、2014年)『きょうだいリスク』(共著、朝日新書、2016年)。気鋭の「息子介護」研究者として、講演、メディア出演多数。『介護する息子たち 男性性の死角とケアのジェンダー分析』のたちよみはこちら→【「序章」「あとがき」】