管啓次郎

About 管啓次郎

すが・けいじろう  詩人。明治大学理工学部教授(批評理論)、大学院プログラム「場所、芸術、意識」担当。主な著書に『コロンブスの犬』『狼が連れだって走る月』(いずれも河出文庫)、『本は読めないものだから心配するな』『ストレンジオグラフィ』(いずれも左右社)、『斜線の旅』(インスクリプト、読売文学賞)ほか。詩集に「Agend’Ars」4部作および『数と夕方』『狂狗集』(いずれも左右社)、『犬探し/ 犬のパピルス』(Tombac) 、Transit Blues (University of Canberra) など。これまでに10数カ国の詩祭や大学で招待朗読を行なってきた。2013 ~ 14年、文芸誌「すばる」(集英社)に旅先の写真と文章からなる「旅ときりぎりす」を連載。

コヨーテ歩き撮り#93

モロッコの首都ラバトについて、とりあえず海辺に連れていってもらった。夕方のレストランで鰯のマリネを食べながらビール。たちまち、10年前からそこにいるような気がしてきた。 After arriving in Rabat, the capital of Morocco, my friend Abdelkader took me to the beach. At a restaurant in the late afternoon we had beer over a fabulous plate of marinated sardines. Instantly I felt I had been there already for a decade.

コヨーテ歩き撮り#92

3年ぶりにシアトルの大学近くに行きました。以前からアジア系飲食店はたくさんありましたが、さらにいくつかの中華料理店が開店。以前との最大のちがいは、ローカライズされない料理に特化した、大陸系の店の進出でしょうか。この酸菜魚専門店の妥協のなさ! University Way near the University of Washington is called the Ave by the community. There have always been numerous Asian joints, but recent openings of some Continental Chinese restaurants are remarkable. They offer uncompromisingly authentic Continental cuisine! Taste this fish cooked with sour preserved vegetable. It burns your tongue and soul!

コヨーテ歩き撮り#91

シアトルのダウンタウンに行くときみが待っている。きみはいつも働いている巨人。ハンマーをふりかざし、とかとんとん。ジョナサン・ボロフスキー作の動く彫刻は、労働者を讃える作品です。 Whenever I go downtown Seattle, you are there, working. Holding the hammer and hitting the air, you are the hardest-working gentle giant! This is Jonathan Borofsky's kinetic sculpture placed in front of the Seattle Art Museum. Let the workers be praised. Venceremos.

コヨーテ歩き撮り#90

春のミモザの黄色、南半球。生命の色は、と訊かれると黄色と答えたくなるのはなぜだろう。蜜蜂の意見を訊いてみたいです。 Maddening yellow of mimosa flowers in spring, the southern hemisphere. When asked the question: "What is the color of life?" What makes you want to answer "yellow"? I need an opinion from the honey bee.

コヨーテ歩き撮り#86

イスタンブルの特徴、路上犬多し。アナトリア地方の牧羊犬が、こうして雑踏を行く野良になっています。大きくて、おとなしくて、美しい。なついてくるので連れて帰りたいと思うけれど、それはむり。この子がこれからどうやって生きてくのかと思うと、胸が潰れます。

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