鈴木晃仁

About 鈴木晃仁

すずき・あきひと  静岡県生まれ。静岡県立清水東高等学校卒、1986年、東京大学教養学部教養学科科学史・科学哲学専攻を卒業、同大学院総合文化研究科地域文化研究(イギリス文化)に進学、1992年にロンドン大学ウェルカム医学史研究所で博士号を取得した。博士論文は啓蒙主義時代イングランドの精神医学思想史を主題とし、指導教官はロイ・ポーターであった。その後、ウェルカム財団医学史研究所リサーチ・フェロー、アバディーン大学研究員などを経て、1997年に慶應義塾大学助教授となり、2005年から慶應義塾大学経済学部教授。

医学史とはどんな学問か
第7章 啓蒙主義と新しい人間観の医学 1700-1800

18世紀は啓蒙主義の医学の時代である。16・17世紀の宗教と政治と医学理論の激動の時代が終わり、新しい医学と医療がヨーロッパの各地で発展した。「人間」を分析対象とし、技術発展と相まって医療に深くかかわる医学の原型が現れ始めた時代を描き出す。

医学史とはどんな学問か
第5章 宗教改革とパラケルスス主義 1550-1650

16世紀の中葉から17世紀の中葉、ヨーロッパ各地で宗教改革と反宗教改革の運動が政治・文化・社会に大きな影響を与えた。そこで生まれたのがパラケルスス主義――宗教改革の基盤となったキリスト教思想、そして錬金術と化学的な実験を軸に、当時の世界観と医学を根源から改革しようとした思想潮流である。宗教改革を契機に初期近代の国家や社会のモデルが形成され、医療のさまざまな側面が大きく転換し発展した様子を描く。

医学史とはどんな学問か
第4章 ルネサンスと解剖学の発展 1500-1600

ルネサンス医学は、ギリシア語の医学の起源を復興することで、それまでと大きく異なる革新の姿勢をもつことになった――それが解剖学の発展である。印刷という新メディアによる解剖図の発展と拡散、解剖講義の劇場性等、古代医学の復興と文化・芸術の関連を描く。

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