連載・読み物

虚構世界はなぜ必要か?SFアニメ「超」考察
第15回 「社会を変える」というフィクション/『逆襲のシャア』『ガンダムUC(ユニコーン)』『ガッチャマンクラウズ』(1)

四十年近くの時を経た現在もなお、新シリーズがつくられ続けているガンダム・シリーズの第一作『機動戦士ガンダム』は、否応もなく巻き込まれてしまった戦争のなかで、少年少女たちが成長してゆく様が描かれる物語と言えます。しかし同時に、組織の腐敗や機能不全、そこから生まれる不正、対立、そしてそれらの増進が戦争へ至ってしまう、そのような社会しかつくり得ない旧世代に対する、そうではない別の可能性を秘めた新世代(ニュータイプ)の存在を示唆する物語でもあります。

ジャーナリズムの道徳的ジレンマ
〈CASE 12〉取材先からゲラのチェックを求められたら

報道する以上、記事の精度は上げたい、しかし“検閲”につながる危険性もある――。「事前チェック」は媒体によって慣行も異なる上に、最近は一方で「確認」の手間を取材先に投げる傾向も指摘され、入り組んでいます。[編集部]

虚構世界はなぜ必要か?SFアニメ「超」考察
第14回 量子論的な多宇宙感覚/『涼宮ハルヒの消失』『ゼーガペイン』『シュタインズゲート』(4)

物語は、世界のなかに何かしらの出来事が生じ、それに対して登場人物たちがどのように反応するのかという形で進むことが多いでしょう。この時、登場人物による世界への働きかけ方、能動性のあり様によって物語の進展の様々な形があるのですが、それはたんに登場人物の特質や能力によって決まるのではなく、その物語世界がどのような構造になっているのかに多くを依存します。世界の仕組みがこのようになっているからこそ、このような働きかけが有効(あるいは無効)になる、というふうに。世界観は登場人物のあり様以上に物語の性質に影響を与えます。

ウェブ連載版『最新判例にみるインターネット上の名誉毀損の理論と実務』第33回

ロボット工学の進展は、法学にどのような挑戦を投げかけるのだろうか。 このテーマについて論じた文献は近年急激に増加しているが、単著の形で民法、刑法、国際法といった多くの法分野に関する問題をまとめたものとしては、トリノ大学(イタリア)法学部Ugo Pagallo教授(注5)のThe Laws of Robotsが極めて参考になる。

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