ごはんをつくる場所には音楽が鳴っていた――人生の欠片、音と食のレシピ〈20皿め〉
羽田空港を離陸し東京上空から河川を眺めれば、山間地から海へ流れゆくその道筋に、地形という奇跡の上で人類の生活が成り立つという当たり前のことを改めて目の当たりにする。 西へ進み富士山を通過、琵琶湖湖面の輝きにため息をもらす。その北西には福井、年縞で有名な水月湖がある。淡水、海水、汽水の中で悠々と生きる生物たちの姿を想像したくなる。そして瀬戸内に入れば多島美の景。四国山間を抜け、交通網がなかった時代に、さて空海はこの四国の地形をどのように歩き、やがて中国へ渡り、のち高野山へとたどり着いたのか。……
