あとがきたちよみ
『ベンサム論集――法哲学・政治哲学』
「訳者あとがき」を公開しました。
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人間は合理的な動物である。それを疑う人は少ないであろう。少なくとも人間は合理的であるべきだと考える人の方がそう考えない人より多いはずである。問題は、そこで言う「合理性」とは何かである。……
ジョン・メイナード・ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』は、終わり近くの第23章で「高利usury」に関するアダム・スミスとジェレミー・ベンサムの論争に触れている。 「高利」という概念は多義的であるが、いずれにせよ否定的な評価を伴っている。動産や金銭の貸借にあたって、利子を一切とるべきではないという立場からすると──後で説明するように、こうした立場は歴史上、稀ではない──あらゆる利子は「高利」であって許されない。他方、ある程度の利子をとることは許されるが、破格に高い利子をとることは借手の事業と生活を破綻させるし、そうした行為が広まると健全な事業主が資金に欠乏することになり、一国の経済にも悪影響を与えるので許すべきでないという立場もある。……