憲法学の散歩道
第47回 カントにおける刑罰の機能と正義
次の一節は、カント『人倫の形而上学』の中で、もっとも有名なものの一つであろう。
人を殺害したのであれば、死ななくてはならない。これには正義を満足させるどのような代替物もない。苦痛に満ちていようとも生きていることと死のあいだに同等といえるところはなく、したがって、犯人に対し裁判によって執行される死刑以外に、犯罪と報復とが同等になることはない。ただしその死刑は、処刑される人格における人間性に残忍となりかねない方法で行われてはいけない。……
