サルトル

憲法学の散歩道
第37回 価値なき世界と価値に満ちた世界

フィリッパ・フットは、アメリカ合衆国のグラヴァー・クリーヴランド大統領の孫にあたる。オクスフォードのサマヴィル・コレッジを卒業した彼女は、同コレッジで長く哲学を教え、カリフォルニア大学をはじめとするアメリカの諸大学でも教鞭をとった。  彼女が1958年に公表した論文に、「道徳的議論」がある。論文の冒頭で、彼女はリチャード・ヘアの指令主義(prescriptivism)を取り上げている。……

憲法学の散歩道
第8回 『ペスト』について

 ハーバード大学の法学者、チャールズ・フリードに、プライバシーに関する論文がある。自己情報をコントロールする権利がなぜ大切かを述べたものである。  しまっておきたい記憶、隠したい病歴、密かに奉ずる信条。これらの中には、墓場まで持って行くものもあるだろうが、限られた人には打ち明けるものもある。信条であれば同志や聖職者に、深刻な病気であればかかりつけの医師に、大切な記憶は心を許す友に。……

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