Book Review
『アザー・オリンピアンズ――排除と混迷の性別確認検査導入史』
わからない、というのは不安なことだ。自分が依って立つ価値観が揺さぶられ、馴染みのない世界に放り出され、ともすれば身体的な恐怖にすら結びつく。不安を解消するためわかりやすさを求める。往々にしてそれは理解からは程遠く、社会性動物として仲間を得て安心するための日和見や処世術にすぎない。……
わからない、というのは不安なことだ。自分が依って立つ価値観が揺さぶられ、馴染みのない世界に放り出され、ともすれば身体的な恐怖にすら結びつく。不安を解消するためわかりやすさを求める。往々にしてそれは理解からは程遠く、社会性動物として仲間を得て安心するための日和見や処世術にすぎない。……
「はしがき」「第4章・第9章・第10章」「あとがき」「解説」(抜粋)を公開しました。
「おもちゃのユートピア」を論じるこの記事の中編では、死を内蔵する遊技場というテーマに深く関連する議論として、遊戯と聖性、芸術との関係を論じたホイジンガの『ホモ・ルーデンス』とそれへのいくつかの応答を紹介する。とりわけ『ホモ・ルーデンス』を批判的に継承する議論から発展したアンドレ・シャステルやジョルジョ・アガンベンの著述は、聖なるものと戯れる芸術家の振る舞いを理解する上で重要な鍵となるだろう。
あなたがユートピアの設計者なら、何から作り始めるだろうか。老いも死も苦痛もない世界の構想。貧困も差別もないシステムの構築。労働すら娯楽の一部であるような安らかで楽しい毎日。それに加えて胸踊るようなドラマだって用意されている。大いに結構だ。