法の概念

憲法学の散歩道
第41回 グローバル立憲主義の可能性

 グローバル立憲主義がトレンディである。地球全体を立憲主義の諸原則によって規律される世界として捉えるべきだ、あるいはそうした世界の実現を目指すべきだとする議論である。気候変動、テロリズム、疫病の蔓延、大量の難民・移民等の問題は、各国の国境を超える広がりを見せており、超国家的な解決を必要とする。そうした解決を与える機構は、立憲主義の諸原則に沿って組織され、運営されるべきだというわけである。……

憲法学の散歩道
第20回 『法の概念』が生まれるまで

 法史学者のブライアン・シンプソン(Alfred William Brian Simpson)は、1931年にイギリス国教会の牧師の末っ子として生まれた。1951年、オクスフォードのクィーンズ・コレッジに入り、法学を学んだ。1955年から73年まで、リンカーン・コレッジのフェロウを務める。その後、ケント大学教授、ミシガン大学教授等を歴任する。逝去したのは、2011年である。  シンプソンの没後に刊行された著書に『『法の概念』に関する考察』がある。……

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