あとがきたちよみ
『掌の美術論――触覚と想像力』
「プロローグ」と「エピローグ」を公開しました。
「プロローグ」と「エピローグ」を公開しました。
「はじめに 印象派は「発明」されている」を公開しました。
制作中の画家の身体の動きを知る手がかりとなるのがく筆触である。具体的な作品として、ここではオルセー美術館にあるセザンヌの《サント・ヴィクトワール山》(図3/strong>)を見てみよう。
諸芸術を比較する「パラゴーネ」と呼ばれる議論が、美術史には存在する。なかでも、彫刻と絵画の優劣を競うパラゴーネは、触覚と視覚、形態と色彩、物質性と虚構性とのあいだの対立軸をめぐり繰り広げられてきた。そのなかで彫刻に軍配をあげるのにたびたび重要な役割を割り当てられるのが、盲人である。彫刻は目が見えない人にも実際のかたちを正確に伝える芸術であり、平面のなかに別の世界が存在するかのように見せる虚構としての絵画よりも優れている、とするロジックだ。