デモクラシー

環境倫理学を学ぶ人のためのブックリスト[勁草書房10選]

 気候変動は年々深刻化し、昨年にはついに「地球沸騰化」という言葉まで登場しました。人新世、SDGs、生物多様性の価値といった言葉を耳にすることも多くなるなか、環境問題に対する倫理的な考察を行う「環境倫理学」に注目が集まっています。  現在、環境問題についての個別の処方箋がたくさん提案されていますが、それらをどう評価したらよいか迷うことも多いことでしょう。環境倫理学を学ぶことで、論点が整理でき、環境問題に対して社会がどう対応すべきなのかを、具体的に考えることができるようになると思います。  ここでは、環境倫理学を学ぶにあたって参考になる勁草書房の本を10冊紹介します。これらはいずれも環境倫理学ならではの論点を扱っていますので、環境問題に関する他の研究書とは異なる視点を得ることができます。まとめて読むことで、それぞれの本の理解も深まることでしょう。皆さんの本選びの参考になれば幸いです。[選書&紹介文]吉永明弘・太田和彦・寺本剛・熊坂元大

By |2024-03-13T15:24:43+09:002024/3/26|本たちの周辺|

憲法学の散歩道
第26回 『アメリカのデモクラシー』──立法者への呼びかけ

 アレクシ・ドゥ・トクヴィルは、ノルマンディーの貴族の家系に生まれた。両親はフランス革命時の恐怖政治下で投獄され、ロベスピエールの失脚がなければ処刑されるところであった。父親は王政復古後の体制で各地の県知事(préfet)を歴任した。  トクヴィルは、3人兄弟の三男として1805年に生まれ、パリ大学で法律を学んだ。1827年には、陪席裁判官(juge auditeur)に任命されている。司法官としての彼の経歴は、1830年の7月革命で中断される。  神の摂理により、フランスにおける権威のすべては国王の一身に存すると前文で宣言する1814年憲章に代わって、1830年憲章は、フランス人の王(Roi des Français)は即位に際し、両院合同会議において、憲章の遵守を誓うものとした(65条)。権力の重心は、王から代議院へと移った。  やむなく新体制への忠誠を誓ったトクヴィルは、しかし、自費でアメリカの行刑・監獄制度の視察に赴きたいと上司に願い出た。……

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