日本国憲法

ヴァーミュール『リスクの立憲主義』合評会 後編

2019年12月刊行、エイドリアン・ヴァーミュール(吉良貴之訳)『リスクの立憲主義 権力を縛るだけでなく、生かす憲法へ』(https://www.keisoshobo.co.jp/book/b491626.html)の合評会(2020年7月開催)の記録を論文形式で公開します。本書の位置づけ、憲法学の潮流等、より広く、より深くお読みいただく機会として、合評会に参加した気持ちでご一読ください。[編集部]

By |2022-03-03T11:23:32+09:002022/3/3|本たちの周辺|

ヴァーミュール『リスクの立憲主義』合評会 前編

2019年12月刊行、エイドリアン・ヴァーミュール(吉良貴之訳)『リスクの立憲主義 権力を縛るだけでなく、生かす憲法へ』(https://www.keisoshobo.co.jp/book/b491626.html)の合評会(2020年7月開催)の記録を論文形式で公開します。本書の位置づけ、憲法学の潮流等、より広く、より深くお読みいただく機会として、合評会に参加した気持ちでご一読ください。[編集部]

By |2022-03-03T11:19:46+09:002022/2/24|本たちの周辺|

憲法学の散歩道
第9回 「どちらでもよいこと」に関するトマジウスの闘争

 啓蒙思想家として知られるクリスティアン・トマジウスは1655年、ザクセン公国のライプチヒに生まれた。父のヤーコプ(1622-84)は、ライプチヒ大学の哲学教授であった。クリスティアンは、1669年、同大学に入学し、1672年に修士号を取得する。  1672年は、ザムエル・プーフェンドルフの『自然法と万民法De jure naturae et gentium』が刊行された年でもある。クリスティアンは後に、プーフェンドルフの自然法に関する著作と父親のグロティウスに関する講義とを、彼を法学の研究へと向かわせた主な要因として挙げている。……

憲法学の散歩道
第2回 戦わない立憲主義

 テクサス大学のゲイリー・ジェイコブソン教授が提示した概念に、戦う立憲主義(militant constitutionalism)と従順な立憲主義(acquiescent constitutionalism)の区別がある。戦う立憲主義は、従前の社会のあり方、政治のあり方を変革し、新たな政治社会を樹立しようとする。従順な立憲主義は、それまでの社会秩序、政治体制をそのまま受け入れ、それを成文化する。ある国の憲法典をとり上げたとき、それが100%戦う憲法であることは稀であろうし、逆に100%従順であることもまず考えられない。とはいえ、おおよその傾向を区別することはできる。  日本国憲法は、相当程度、戦う憲法である。……

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