聖職者

掌の美術論 第23回
働く手(中編)――芸術の「自律性」を宙吊りにする

前回の記事で論じたように、ロバート・モリスもロザリンド・クラウスも、特殊な遊び場としての解説映像『ロバート・モリス 心/身問題』(1995年)で既存の現実に対し批評的な距離を取ることを試みた。モリスが距離を取ろうとしたのは、既存の芸術と既存の産業の双方が別々に築き上げてきた価値体系であった。とりわけこの解説映像で度々取り上げられるパフォーマンス《サイト》(1964年)は、階層化された既存の芸術とも、労働者を労働から疎外する既存の産業とも切り離されながら、芸術と産業の労働が交差するような実践の場にほかならなかった。……

By |2026-06-12T11:21:54+09:002025/2/25|連載・読み物, 掌の美術論|

《特別公開》ジャン・ボベロ補論完全版~『〈聖なる〉医療』刊行記念~

ジャン・ボベロ/ラファエル・リオジエ『〈聖なる〉医療』の末尾には、それぞれの著者による「補論」が収録されている。日本語訳が刊行されるのに合わせて、訳者から著者に短い論考を書いてもらえないかと依頼したのである。ボベロから寄せられたテクストは、こちらがお願いしていたよりもずいぶん長く、そのままの形では書籍には収録できないことが判明した。そこで、紙の本についてはボベロの了解を得て訳者の側で適宜編集をして訳出することにしたのだが、もちろんテクストにはカットするのが惜しい部分もあった。そこで、「けいそうビブリオフィル」の場をお借りして、ボベロの補論として寄せられたテクスト全文の翻訳を「完全版」として掲載する次第である。[訳者]

By |2021-02-17T19:24:42+09:002021/2/26|本たちの周辺|
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