夢をかなえるための「アントレプレナーシップ」入門 連載・読み物

夢をかなえるための『アントレプレナーシップ』入門
⑲アントレプレナーを育てることは可能なのか

9月 27日, 2022 高橋徳行

 
グローバル・アントレプレナー・モニター調査(GEM)からわかることは、日本での起業家の活動は他国と比べて非常に劣っているということです。この状況を打破するための起業家教育を考えてみましょう。果たして、起業家は育てるものでしょうか、あるいは勝手に育つものでしょうか。[編集部]
 
 
 本連載では、第13回第14回で「起業家になるための能力・起業家に求められる能力」について考えました。その中で、起業後に求められる能力はある程度まで共通性を見出せるものの、起業家になるための能力となると、その答えは簡単ではないと述べました。しかし、その一方で、最近は「起業家教育」や「アントレプレナーシップ教育」の重要性が叫ばれ、例えば令和3年6月18日の成長戦略フォローアップ(閣議決定・会議)では、「2025年度までにアントレプレナーシップ教育プログラムを実施し、その事例を集約して全国に展開する(抜粋)」という文言が盛り込まれています。第13回と第14回の連載で述べたことと、政府のアントレプレナーシップ教育を推進するという現象をどのように整理すれば良いのか戸惑う読者もいらっしゃると思います。
 
 今回は、起業家教育は大きく分けて二つの種類があり、一つは起業家になるための能力に対応するもので、もう一つは起業家に求められる能力に対するものであることに触れながら、わが国における起業家教育のあり方についても考えていきます。
 
Born or Made?
 
 起業家教育を話題にする時、頻繁に尋ねられる質問の一つが「起業家は育てられるのか」という問いです。
 
 本田宗一郎、盛田昭夫、三木谷浩史そしてビル・ゲイツ(Bill Gates)、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)など日本や世界の名だたる起業家は、いつ、どこで起業家教育を受けたのか。彼らは、確かに教育を受けているが、それは「起業家」教育とは言えるものではない。また、それほど有名な例を出さずとも、何人かの無名の起業家に尋ねてみれば、その多くは、起業家教育を受けていないと回答するに違いないという主張をよく耳にします。つまり、起業家を教育によって育成するということ自体がナンセンスであるということです。
 
 起業家は育てられるのか、先天的か後天的か、つまりBorn or Madeというテーマについては、実証研究も数多く行われています。Nicolaou et al.(2008)では、英国の3,000組の双子を調査し、起業家になるかどうかの4割程度は、遺伝的な要因によって決定されると結論づけました。また、Shane(2010)では、「遺伝子がほぼすべてを決定する」として、起業家になるかどうかを含めて、遺伝子的決定要因の大きさを主張しています。
 
 もちろん、先天的か後天的かというテーマは、人間の心の問題にまで踏み込んで分析したPinker(2003)に代表されるように、起業家になるかどうかというキャリア選択の問題を超えて幅広く研究されているものです。
 
 しかし、その一方では、令和2年度に文部科学省から委託を受けた有限責任監査法人トーマツは4年制大学の7割でアントレプレナーシップ教育が実施されていないことなどを報告し、それを受けて文部科学省はアントレプレナー育成事業の新たな展開を図っています。
 
 また、本連載でたびたび調査結果を引用しているグローバル・アントレプレナーシップ・モニター調査(以下、GEM)では、「専門家調査」(National Expert Survey: NES)も実施しています。それは、国ごとに、①起業家へのファイナンス(Entrepreneurial finance)、②政策の妥当性・適切性(Governmental policies)、③政策を実現するためのプログラム(Governmental entrepreneurship programs)、④起業家教育(Entrepreneurial education)、⑤研究開発成果の移転(R&D transfer)、⑥成長企業にとっての法的・商業的制度・環境(Commercial and legal infrastructure)、⑦国内市場(Internal market)、⑧物的経済生産基盤(Physical infrastructure)、⑨文化や社会規範(Cultural and social norms)にかかる9つの分野について、1分野から最低4名ずつ、計36名(4名×9分野)の専門家に対してのアンケートを行うというものです。
 
 NES調査は、本文中に示した9つの分野における13項目について、1分野につき5~6問から成る質問票に回答してもらう方式をとっており、調査年によっては特別調査を実施します。質問の内容は、例えば、起業家へのファイナンスであれば、「(日本では)ベンチャー企業が出資を受けることによって十分な資金を調達できる」という記述に対して、10段階(わからない、当てはまらないという回答もない)で評価してもらいます。「1」が質問票の記述に対して「まったくちがう」であり、番号が増えるごとに同意度が増し、「10」が「まったくそのとおり」となるように設計しています。
 
 アンケート回答者は、調査参加国のGEMチームが選定し、一定の割合で、毎年回答者の一部を変更することが義務付けられています。しかし、サンプル(回答者)の選び方やサンプル(回答者)数から考えて、さまざまなバイアスを避けられない調査であることは否定できません。
 
 図表1は、2021年調査の結果をまとめたもので、それぞれの項目を参加32か国中の順位で示したもので、順位は若いほど(番号が少ないほど)評価が高いことを意味しています。
 
 ここで着目してほしいのは、「小中高における起業家教育」の順位と「大学・社会人対象の起業家教育」の順位です。ここからわかることは、一つは、起業家教育に関してはともに順位が高くないこと、もう一つは、「小中高」対象と「大学・社会人対象」対象の二つを比べると、「小中高」が特に順位が悪いことです。
 
 この調査結果と、わが国の起業活動の水準が低いという、同じGEMの結果をどのように結び付ければよいのか。「起業家は育てられるのか」という問いとともに、以下で考えてみたいと思います。
 

図表1 NES調査の調査項目別の日本の順位(32か国中ランキング)(2021年調査)

資料:グローバル・アントレプレナーシップ・モニター調査(2021年)。

 
二つの起業家教育
 
 図表2は、第1回の連載でも紹介したものに少し手を加えたものです。ここで示しているように、起業プロセスはいくつの段階に分かれます。国民全体の何割かが起業家予備軍(起業態度を有する者)となり、その中から起業活動の準備を実際に行う者が現れ(懐妊期の起業家)、さらに事業を始める若い起業家が誕生する(誕生期・幼児期の起業家)。そして、誕生期・幼児期の起業家が生き延びると成人期の起業家になるというものです(図表2)。
 

図表2 起業プロセス

資料:Kelley et al.(2012)から筆者が作成。
 
 
 このように、起業プロセスがいくつかの段階に分かれているとすると、段階ごとに起業家教育の内容も異なったものになるでしょう。
 
 ここでは大きく二つに分けていますが、起業態度がない段階、起業に関心のない段階(A)から、起業態度が形成される段階、起業に関心を持つ段階(B)に移行するための教育(A⇒B)と、すでに起業態度が形成している段階、起業に関心を持つ段階(B)から、起業の準備を実際に始めたり(C)、実際に起業する段階(D)に移行したりするための教育(B⇒C, D)では、その教育内容は異なるはずです。さらに言えば、本稿のテーマから少し外れますが、D⇒Eはいわゆる「経営者教育」と呼ばれるもので、すでに企業経営を始めている人を対象とした教育です。
 
 また、広義の起業家教育(A⇒B)と狭義の起業家教育(B⇒C, D)を別の方法で示したものが、図表3になります。
 

図表3 二つの起業家教育

資料:筆者作成。
 
 
日本の弱点はA⇒B(広義の起業家教育)
 
 これも過去の連載からの引用になりますが、第11回「不思議の国の起業活動「日本」」では次のような二つの図表を紹介しています(図表4、図表5)。
 

図表4 日本と先進国のTEA(総合起業活動水準)の推移
(分母は「起業態度有り」グループ)

注:ここでの先進国とは、2014 年のGEM調査実施の段階で、イノベーション主導型経済に分類されていた次の国を指している。すなわち米国、ギリシャ、オランダ、ベルギー、フランス、スペイン、イタリア、スイス、オーストリア、英国、デンマーク、スウェーデン、ノルウェイ、ドイツ、オーストラリア、韓国、カナダ、ポルトガル、アイルランド、アイスランド、フィンランド、スロベニア、チェコ、プエルトリコ、香港、トリニダード・トバゴ、台湾、アラブ首長国連邦、イスラエルの31か国であり、サンプル総数は1,599,395である。また、日本のサンプル総数は37,534である。
資料:グローバル・アントレプレナーシップ・モニター(GEM)調査の各年個票データを筆者が加工して作成した。

 

図表5 日本と先進国の「起業態度無し」の割合の推移
(分母は調査対象全体)

注:すべての国が毎年GEMに参加していないので、連続していない国が多数ある。
資料:図表4に同じ。

 
 図表4は、BからC, Dに移行する割合が高いことを示しています。つまり、狭義の起業家教育は機能しているということです。しかしながら、図表5にあるように、Bにいる割合が非常に少ない(注:図表5はBにいない割合を示している)ので、国全体の起業活動水準は低いのです。つまり、日本ではAからBに移行するための、広義の起業家教育が弱いということです。
 
 筆者は、図表2で提示した疑問である、「小中高」対象と「大学・社会人対象」対象の二つを比べると「小中高」が特に順位が悪いことの背景には図表4と図表5で示した事実があると考えます。
 
日本の弱点を克服するための起業家教育
 
 このように、わが国ではA⇒Bに対応する広義の起業家教育に大きな問題があり、その結果、起業を意識している人の割合(Bにいる割合)が圧倒的に低いことにつながっています。
 
 そうであれば、広義の起業家教育を強化すればよいとなりますが、ここにも大きな壁があります。特に小中高などで起業家教育を話題にすると、「うちの子供に自分で事業を始めてもらおうとは思わない」「余計なことを教えないでほしい」「私は大企業に勤めるつもりです」「夢は公務員になること」など、とたんに将来の職業に結び付けた話が始まり取り付く島がなくなります。
 
 小学校で美術を教えたり、高校で日本史を学んだりしている時、美術で生計を立てる人を育てているとは思わないし、歴史の専門家になるつもりで学んでいる人もほとんどいません。起業家教育においても、意識がすでに形成され、機会があれば起業したい、また、何かシーズがあり、それを活かして起業したいという人たちを対象とした教育と、起業が人生の選択肢にも入っていない人たちを対象とする教育は全く違うものであり、それは芸術大学などでプロの芸術家を育てる美術の授業と小学校で教える美術の授業が違うのと同じです。
 
 起業意識が形成され、そこからさらに起業家を目指している人には、つまりBからC, Dに移行するための狭義の起業家教育では創業期独特の資金調達方法やマーケティングの知識が役立ちますが、広義の起業家教育では、社会や組織の課題を発見できる力、解決までの道のりを不確実性と向き合いながら進むことができる力の育成の方が大切です。
 
 ですから、小中高校生を対象にしてビジネスプランコンテストを行う場合も、広義の起業家教育を意識して行うのが望ましいのです。つまり、「ビジネスを考えなさい」と言って始めるのではなく、自分自身が経験した課題や地域の課題解決から始めさせます。
 
 課題を発見した後は、いろいろな人の話を聞いたり、小さな実験を積み重ねたりします。例えば、発達障害児の課題解決に取り組むような場合は、自らの体験をベースにしながら、保護者、学校の教員、有識者、経営者との対話を通じて、家庭では相談相手がいないこと、学校では先生に子どもの状況をうまく伝えられず話し合いが長時間に及ぶこと、支援の実行に至っても教員間でバラツキが生じ、当事者からのフィードバックがないことや情報が共有されないことを学び、その結果として独自のアプリを開発するようなケースがあります。外部環境に働きかけながら学ぶことが主であり、この場合はビジネスプランそのものが主役ではないのです。
 
 大きな会社に勤めても、公務員になっても、課題を発見したり、不確実な状況下で前に進んだりすることは必要になります。
 
 日本財団が2022年に実施した「18歳調査」によると、「国や社会に役立つことをしたいと思う」などの項目で、日本は調査6か国(日本・米国・英国・中国・韓国・インド)の中で最低であり、日本の若者の社会課題への意識の低さが話題になりましたが、これは起業意識を有する人の割合の低さと無関係とは思えません。
 
「広義」と「狭義」の使い分け
 
 1960年代後半から起業家教育に特化し、現在では、学部教育では26年連続で起業家教育部門の第1位(全米)、MBA教育では29年連続で第1位(全米)を維持しているバブソン(Babson)大学の看板教授であったバイグレイブ(Bygrave、現名誉教授)は「起業家になりたい人であれば、必ず優れた起業家に育てることができる」と主張していました 。彼は本の中でも同様のことを書いており、また授業中も何度か話していたことを筆者は覚えています。バブソン大学は「起業家になりたい人」を対象に起業家教育を行うところであり、B⇒C, Dに特化した教育を行っています。
 
 バブソン大学は、それまではファイナンスはファイナンス、マーケティングはマーケティング、会計は会計、組織論は組織論として個別に教えられていたプログラムを、事業機会を認識・評価する時に必要な知識、それを実行する時に必要となる知識、そしてある程度成長してきた時に必要となる知識とに分けて、経営学のさまざまな知識を起業プロセスの段階ごとに整理して教える方法を開発し、MBAのプログラムを組み立てたことによって狭義の起業家教育を大きく発展させました。
 
 例えば、ファイナンスであれば、創業期前半はいわゆるSweat Money(いかにお金をかけないようにするか)、創業期後半は3F(創業者、家族、友人。Founder, Family, Friendからの資金調達)、成長期前半は資金回収や支払い方法を工夫した増加運転資金の捻出方法、成長期後半はベンチャーキャピタルや希薄化などをテーマにします。マーケティングであれば、いかにお金をかけない方法で周知活動を行うかが起業プロセスの前半のテーマであり、チャネル戦略も前半と後半では販売ターゲットが異なってきます。
 
 このような知識は、起業家を目指そうとする人にとっては有効ですが、起業意識が形成される前の人にとってはあまり面白い内容とは言えないでしょう。
 
 わが国では、場合によっては狭義の起業家教育を、「起業家教育」と捉えて、興味のある人もない人も含めて、いきなりビジネスの世界に引きずり込んでしまうところが少なくなかったのではないでしょうか。
 
 狭義の起業家教育を行う対象と広義の起業家教育を行う対象を区別して、まず広義の起業家教育の充実を図ることが、起業家社会をつくり上げるためには近道になるのではないでしょうか。
 
 天性の起業家は、自分たちが成長する中で広義の起業家教育を自然と身に付け、狭義の起業家教育については実践を通して学んだ人たちと考えられます。しかし、ネットスケープの創業者のジム・クラーク(James H. Clark)や堀江貴文なども資本政策(株式の持ち分にかかる方針や対策)で苦い思いをしていることに代表されるように、やはり狭義の起業家教育は必要なのでしょう。
 
 その意味で、「起業家になりたい人であれば、必ず優れた起業家に育てることができる」というバイグレイブの主張は的を射ていると考えられます。
 
日本における起業家教育の方向性
 
 最近は、日本でも米国流の狭義の起業家教育から始めるケースが増えていますが、他の先進国と比べて起業意識を有したり起業態度が形成されたりしている層が圧倒的に少ないことを考えると、日本では狭義の起業家教育を学ぶ前、例えば大学生になるまでのどこかで、広義の起業家教育を受けておくことが望まれます。
 
 その際、広義の起業家教育の真の目的は「課題を発見したり、不確実な状況下で前に進んだりする時に必要となる」力の養成であり、ビジネスはその力をつけるための「場」として活用していることを理解してもらわなければなりません。
 
 文部科学省が新学習指導要領において重視する学力の三要素は、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」そして「主体的に学習に取り組む態度」ですが、広義の起業家教育はまさに「主体的に学習に取り組む態度」の養成に適した教育です。そのことを地域や学校の現場に向けて発信する必要もあるでしょう。
 
 そして、狭義の起業家教育についての改善点です。それは、筆者が在籍していた時の話ですが、バブソン大学MBAコースでも「アントレプレナーシップ」という科目を履修できるのはMBA 2年生からでした。1年生の時は、経営学はもちろん経済学や統計学の基礎を徹底的に教えられた経験があります。経営学、経済学、統計学などの関連分野の基礎をしっかり学んだ後に、アントレプレナーシップを学べるような体系的なプログラム構築も課題の一つであると指摘しておきたいと思います。
 
参考文献
Nicolaou, N., Shane, S., Cherkas, L. and Spector, T. D. (2008) “The influence of sensation seeking in the heritability of entrepreneurship”, Strategic Entrepreneurship Journal, 2(1), pp.7-21.
Shane, S. A. (2010) Born Entrepreneurs, born leaders: How your genes affect your work, Oxford University Press.
Pinker, S. (2003) The blank slate: The modern denial of human nature, Penguin (山下篤子訳(2004)『人間の本性を考える:心は空白の石版か』(上)(中)(下)NHK出版).
Kelley, Donna.et al. (2012), “2012 Global Report”, Global Entrepreneurship Research Association (GERA).
Bygrave, W. D. and Zacharakis, A. (2009), The Portable MBA in Entrepreneurship, Hoboken, New Jersey: Wiley, 4 edition.


 
》》》バックナンバー
①日本は起業が難しい国なのか
②起業活動のスペクトラム
③「プロセス」に焦点を当てる
④良いものは普及するか
⑤Learning by doing
⑥連続起業家
⑦学生起業家
⑧社会起業家
⑨主婦からの起業
⑩ビジネスの世界だけではない
⑪不思議の国の企業活動:「日本」
⑫なぜ第一歩を踏み出せないのか
⑬起業後のリスクや不確実性への対応
⑭起業家になるための能力・起業家に求められる能力(1)
⑮起業家になるための能力・起業家に求められる能力(2)
⑯アントレプレナーシップは私たちの世界に何をもたらすのか:起業活動の社会的意義とは何か
⑰アントレプレナーとは誰なのか
⑱市場を生き抜く「強さ」とは何か
⑲アントレプレナーを育てることは可能なのか

高橋徳行

About The Author

たかはし・のりゆき  1956年北海道生まれ。1980年慶應義塾大学経済学部卒業。同年国民金融公庫(現日本政策金融公庫)入庫。1998年バブソン大学経営大学院(MBA)修了。2003年より武蔵大学経済学部教授。2015年より同大学経済学部長(2017年まで)。2022年より同大学学長。主著は、『起業学の基礎』(勁草書房)、『アントレプレナーシップ入門』(共著、有斐閣)などがあり、訳書としては『アントレプレナーシップ』(共訳、日経BP社)などがある。日本ベンチャー学会清成忠男賞審査委員長、日本中小企業学会幹事、企業家研究フォーラム理事、グローバル・アントレプレナーシップ・モニター(GEM)日本チームリーダーなどを兼任。