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連載・読み物

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憲法学の散歩道 3月 02日, 2020 長谷部恭男

憲法学の散歩道
第4回 ルソー『社会契約論』における伝統的諸要素について

 ジャン・ジャック・ルソーの『社会契約論 Du contrat social』は、さまざまな謎を含んでいる。現代人にとっては縁遠い伝統的な諸観念のために生ずる謎であることが、しばしばある。
 
 たとえば、彼の言うloiはしばしば法律と訳される。しかし、現代国家における法律とは全く違うものである。……

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「名もなき家事」の、その先へ――“気づき・思案し・調整する”労働のジェンダー不均衡 2月 26日, 2020 「名もなき家事」の、その先へ

「名もなき家事」の、その先へ――“気づき・思案し・調整する”労働のジェンダー不均衡
vol.10 SA概念で何が見えるか(前編)――「男は察知も思案も調整も下手」で「やろうと思ってもできない」のか/平山亮

「名前のない家事」をめぐって始まった平山亮さんと山根純佳さんの往復書簡連載。男性がSAをしないのは個人の責任か、社会の責任か。SAを複数で担うことはなぜ難しいのか。今回は平山さんから山根さんへの応答です。

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憲法学の散歩道 2月 03日, 2020 長谷部恭男

憲法学の散歩道
第3回 通信の秘密

 モーシェ・ベン・マイモン(英語名:モーゼス・マイモニデス)は、著名なユダヤ神学者・哲学者である。
 1138年*1、イスラム支配下のスペイン・コルドバに生まれたマイモニデスは、1148年、同地がイスラムの過激な解釈を奉ずるアルモハッド派に奪取されたことを契機に、一族とともにコルドバを離れ、モロッコを経て地中海を船でパレスチナへと渡り、1166年にはファーティマ朝の支配するエジプトに居を移す。1171年にファーティマ朝はアイユーブ朝に取って替わられた。貿易商として一族の生計を支えた弟ダーヴィドがインド洋で水死したのち、マイモニデスは1204年に逝去するまで、アイユーブ朝の宮廷医として一族の生計を支え、そのかたわら、同地のユダヤ人コミュニティの指導者として活動した。……

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