虚構世界はなぜ必要か?SFアニメ「超」考察
第19回 正義と生存とゴースト/攻殻機動隊「STAND ALONE COMPLEX」と「ARISE」
この「攻殻」の三つのシリーズは、共通した主題を持ちながらも、それぞれに異なる特徴をもつと言えます。共通した主題とは、情報技術の発達した世界において「個(わたし)」というものがどのようにあり得るのか、ということでしょう。「GHOST IN THE SHELL」では、個は主に内省的な次元で捉えられ、問題とされていました。しかし、「S.A.C」で個は、主に社会の中で、社会との関係において捉えられています。そして、「ARISE」において問題となっているのは、環境のなかでの個の生存戦略とでもいうべきものです。いわば「個」は、「GHOST IN THE SHELL」では実存的な問題として、「S.A.C」では正義の問題として、「ARISE」においては居場所(ニッチ)の獲得の問題として、あわらわれていると考えられます。
