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新着記事2024-04-16T22:14:11+09:00

ヴァーミュール『リスクの立憲主義』合評会 前編

2019年12月刊行、エイドリアン・ヴァーミュール(吉良貴之訳)『リスクの立憲主義 権力を縛るだけでなく、生かす憲法へ』(https://www.keisoshobo.co.jp/book/b491626.html)の合評会(2020年7月開催)の記録を論文形式で公開します。本書の位置づけ、憲法学の潮流等、より広く、より深くお読みいただく機会として、合評会に参加した気持ちでご一読ください。[編集部]

By |2022/2/24|本たちの周辺|

憲法学の散歩道
第25回 「見える手」から「見えざる手へ」──フランシス・ベーコンからアダム・スミスまで

 18世紀半ばに『法の精神』を刊行したモンテスキューは、当時のイギリスをモデルとして、自由を確保すべき国制について大要次のようなことを述べている。  国の統治権力は立法・司法・行政の3権に分類できる。このうち2権以上を1つの国家機関が独占すると専制がもたらされ、人々の自由は失われる。そうした権力の集中を防ぐ必要がある。  ただ、この消極的原理だけでは不十分である。立法作用は他の2権をコントロールすることができる。専制的な立法が行われないような仕組みが必要となる。……

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