あとがきたちよみ
『アダム・スミスの道徳理論――人間の複雑性と道徳判断』
「はじめに」を公開しました。
「はじめに」を公開しました。
これまでの連載の中では、個々の起業家および起業活動の事例を紹介してきました。今回は、アントレプレナーが研究者たちによってどのように定義されてきたかについて説明します。アントレプレナーはどのように捉えられてきたのでしょうか、その足跡をたどります。[編集部]
18世紀半ばに『法の精神』を刊行したモンテスキューは、当時のイギリスをモデルとして、自由を確保すべき国制について大要次のようなことを述べている。 国の統治権力は立法・司法・行政の3権に分類できる。このうち2権以上を1つの国家機関が独占すると専制がもたらされ、人々の自由は失われる。そうした権力の集中を防ぐ必要がある。 ただ、この消極的原理だけでは不十分である。立法作用は他の2権をコントロールすることができる。専制的な立法が行われないような仕組みが必要となる。……
ジョン・メイナード・ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』は、終わり近くの第23章で「高利usury」に関するアダム・スミスとジェレミー・ベンサムの論争に触れている。 「高利」という概念は多義的であるが、いずれにせよ否定的な評価を伴っている。動産や金銭の貸借にあたって、利子を一切とるべきではないという立場からすると──後で説明するように、こうした立場は歴史上、稀ではない──あらゆる利子は「高利」であって許されない。他方、ある程度の利子をとることは許されるが、破格に高い利子をとることは借手の事業と生活を破綻させるし、そうした行為が広まると健全な事業主が資金に欠乏することになり、一国の経済にも悪影響を与えるので許すべきでないという立場もある。……
18世紀は啓蒙主義の医学の時代である。16・17世紀の宗教と政治と医学理論の激動の時代が終わり、新しい医学と医療がヨーロッパの各地で発展した。「人間」を分析対象とし、技術発展と相まって医療に深くかかわる医学の原型が現れ始めた時代を描き出す。