法哲学

憲法学の散歩道
第24回 道徳と自己利益の間

 ジョゼフ・ラズはイスラエルの出身である。H.L.A. ハートの指導の下、博士号を取得してオクスフォード大学で長く法哲学を教え、現在はコロンビア大学とロンドン大学キングズ・コレッジの教授を務めている。2018年には、東洋のノーベル賞とも言われる唐奨(Tang Prize)の「法の支配」部門を受賞した。  彼に「道徳と自己利益」という論稿がある。彼の論稿の多くがそうであるように、かなり屈曲した議論が展開されている。結論は、おそらく、多くの人にとって意外なものである。……

追悼・那須耕介さん

法哲学をご専門とする、京都大学教授・那須耕介さんが、2021年9月7日、お亡くなりになりました。2017年に初期の膵臓がんが見つかり、手術を経て、抗がん剤治療などに取り組んでいらっしゃいましたが、2019年に再発。さらなる治療を続けられましたが、2021年8月半ばより容態が悪化し、9月、永眠なさいました。 このインタビューは、『ナッジ!?』の企画が立ち上がり、那須さんが対談連載用の取材を始める前に、「那須さんに話をうかがっておきたい」という『ナッジ!?』共編者の北海道大学教授・橋本努さんのお申し出によって実現しました。写真はすべて2018年のインタビュー当日に撮影したものです。那須さんがどのように考え、どのように研究をしてきたのか、ぜひみなさんにもお読みいただければと、ご遺族の了解を得て公開いたします。53歳という若さで亡くなった那須さんのご冥福を、心より祈ります。[編集部]

憲法学の散歩道
第20回 『法の概念』が生まれるまで

 法史学者のブライアン・シンプソン(Alfred William Brian Simpson)は、1931年にイギリス国教会の牧師の末っ子として生まれた。1951年、オクスフォードのクィーンズ・コレッジに入り、法学を学んだ。1955年から73年まで、リンカーン・コレッジのフェロウを務める。その後、ケント大学教授、ミシガン大学教授等を歴任する。逝去したのは、2011年である。  シンプソンの没後に刊行された著書に『『法の概念』に関する考察』がある。……

めんどうな自由、お仕着せの幸福
第5回:熟議でのナッジ? 熟議へのナッジ?《田村哲樹さんとの対話》

那須耕介さんがナッジやリバタリアン・パターナリズムをめぐって語り合う対話連載、今回は名古屋大学の田村哲樹さんがご登場です。政治学者として、ずーっと「熟議」を研究してきた田村さんは、じつはその熟議と食い合わせがあんまりよくないナッジも射程に入れて議論なさってきました。「政治」をめぐる初歩的な話から、ミニ・パブリックスなどなど、どうぞお楽しみください。【編集部】

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