連載・読み物

コロナ時代の疫学レビュー
第4回 ランダム化比較対照試験の理論――ランダム化・バッドラック・エクイポイズ

疫学研究において、最も信頼性が高いといわれる「ランダム化比較対照試験」とは、どういう研究方法なのでしょうか。今回は、高い信頼性を担保するためにとられている手法と、その理論的背景を解説していただきました。世にあふれる医療情報を読み解くためにも、スタンダードとなる知識のベースをこの機会にぜひ。[編集部]

燃えよ本[第5回]なぜ本は燃えやすい? 石炭紀とカビ・キノコ

本は燃えやすい。社会的にも燃えやすいが、物理的にも燃えやすい。カエサルのアレクサンドリア図書館の焼き討ち、中国の秦帝国やナチス・ドイツによる焚書など、文化の抹殺の象徴は「本を燃やす」こと。つまり本は燃やしやすい物質だということだ。  実は「本を燃やす」という行為には三億年超の地球の歴史が宿っている。地上にどのように生物が上陸し、どのように現在のような生態圏ができあがり、さらに人類がなぜ産業革命を起こすことができたのか? 鍵を握るのは陸上植物と菌類の関係性だ。

By |2021-12-21T17:40:15+09:002021/7/28|連載・読み物, 燃えよ本|

コロナ時代の疫学レビュー
第3回 「重症化」予防がワクチンの目的か?――ファイザー社ワクチンのランダム化比較対照試験②

1年かからずに開発され、実用化された新型コロナウイルス・ワクチン。その画期的な成果は前回の記事からもわかるとおり。とはいえ、もちろん完全無欠なわけではありません。ひとつの論文で、ワクチンの効果の何が明らかになり、何がわかっていないのか。今回はそこを見ていきます。[編集部]

コロナ時代の疫学レビュー
第2回 パンデミックの転換点を、300語で読む――ファイザー社ワクチンのランダム化比較対照試験①

坪野吉孝さんの論文レビューが、今回から本格的に始まります。まずはなんと言っても新型コロナウイルス感染症対策の要であるワクチンについて。ワクチン接種済みの方もこれからの方も、研究成果の一端をぜひ味わってください。[編集部]  新型コロナウイルス感染症によるパンデミック対策の転換点となったのは、米国ファイザー社とドイツのビオンテック社が開発したmRNAワクチンの開発の成功だった。  ワクチンの有効性と安全性を評価した臨床試験の論文が『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(NEJM)にオンライン公開されたのは2020年12月10日。筆者はこの日にさっそく論文を読み、これは歴史的な研究成果になると、しばし想いにふけった。……

コロナ時代の疫学レビュー
第1回 感染と情報の爆発

2020年にはじまった新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の拡大以降、いろいろな点で「疫学」が注目されています。病院の診療科目としてはなじみがありませんが、医療の基礎を支える大事な分野です。日本疫学会では「明確に規定された人間集団の中で出現する健康関連のいろいろな事象の頻度と分布およびそれらに影響を与える要因を明らかにして、健康関連の諸問題に対する有効な対策樹立に役立てるための科学」と定義しています。この連載では、そんな疫学をご専門にして、長らく文献レビューに携わってきた坪野吉孝さんが、Covid-19に関連する文献を通して、疫学の基本的な理論をご紹介くださいます。[編集部]

夢をかなえるための『アントレプレナーシップ』入門
⑬起業後のリスクや不確実性への対応

起業活動を始めるアントレプレナーが、起業後に困難に陥ることは稀ではありません。むしろ避けられない事態といってよいでしょう。そのような事態に遭遇した時に起業家自身はどういった行動をとればよいのでしょうか。今回は起業後のリスクや不確実性への対応を取り上げます。失敗から学べる価値ほど大切なものはありません。[編集部]

燃えよ本[第4回]「たまたま」のレトロスペクティブ ③ 「人は意味なしで生きていけるか?」とクンデラは問うた

 「われわれがすでに一度体験されたことが何もかももう一度繰り返される」というニーチェの永劫回帰の概念の引用からこの物語は始まる。もしすべてのことが永久に繰りかえされるとしたら、自分のひとつの行動の責任の重さは限りなく重くなる。つまり永劫回帰を生きるのはすべてが意味を持つ「重い」人生だ。反対に自分の人生が一回限りであるならばどんなに悲しみや喜びを感じたとしても、それはすぐに立ち消えてしまう。どんなに重大に感じることでもそれは一回限りの意味がない「軽い」人生だ。

By |2021-12-21T17:41:38+09:002021/6/14|連載・読み物, 燃えよ本|
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