連載・読み物

治らなくても大丈夫、といえる社会へ
vol.01 「安楽死」と書いてくれたあなたへ

認知症患者の思いやその人らしさを尊重する介護――現在私たちの社会は、そうした介護を目指すべきものとして掲げている。しかしそうした理念は、突然私たちの社会に生まれてきたのではない。それは長い歴史をかけて、介護に関わる人びとが作り上げてきた、私たちの社会の一つの到達点なのだ。認知症という病名がないどころか、「ボケ」や「痴呆」といった言葉すら身近でない時代に介護を経験した人。介護保険といった制度もない時代に、介護家族が相談できる場を立ち上げ、在宅での看取りを目指した人……。介護家族の悩みの歴史を辿りながら、「治らなくても大丈夫」といえる社会のあり方を構想する、気鋭の社会学者による連載です。【編集部】

ごはんをつくる場所には音楽が鳴っていた――人生の欠片、音と食のレシピ〈6皿め〉

パリ19区。 この区の西と北は、移民が多く住む地域とされている。 同区東の方にあるビュット・ショーモン公園を囲む地域はボボ(プチブル)が住み、早朝週末はジョギングに精を出すパリジャンの姿。 パリ生活の時間の多くはこの移民街で過ごすわけで、道端では、紋切り型な言い方になるが多言語が飛び交い、軒を連ねるハラルの店では羊の頭の丸焼きが並ぶ。母国、北アフリカやサハラ以南の地域に送るダンボール箱が積まれた運送屋や、色鮮やかな生地が積まれた仕立て屋。 これがわたしにとってのパリの日常だ。

ごはんをつくる場所には音楽が鳴っていた
――人生の欠片、音と食のレシピ〈5皿め〉

フランスを拠点に、世界中で演奏する日々をおくるサックス奏者の仲野麻紀さん。彼女は演奏旅行でミュージシャンだけでなく、いろいろな料理と出会います。料理は、その人が生まれ、育ってきた文化や環境を物語るもの、まさに人生の欠片。世界各地で生きる人たちの姿、人生の欠片のレシピから多様なSaveur 香りが届きますように。【編集部】

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