連載・読み物

掌の美術論
第6回 時代の眼と美術史家の手
――美術史家における触覚の系譜(後編)

前回の記事ではハインリヒ・ヴェルフリンの『美術史の基礎概念』(1915年)を取り上げながら、触覚的な価値に基づくイメージ分析について紹介した。実のところそうした方法論自体は、バーナード・ベレンソンやアロイス・リーグルといった美術史家たちが19世紀末から20世紀初頭にかけて書いたものに見られたものだった。ではこうした傾向は、どのような思想的系譜のうえに位置づけられるだろうか。

By |2023-10-22T15:40:16+09:002023/6/29|連載・読み物, 掌の美術論|

憲法学の散歩道
第33回 わたしは考える?

「憲法学の散歩道」書籍化第2弾『歴史と理性と憲法と』が2023年5月1日に発売となりました。第32回までの連載分に書き下ろし2章分が加わり、長谷部さんならでは散歩道を進むと意外かつ奥深い世界が開けてきます。そして、お待たせしました。第3シーズン、はじまります。[編集部] 第33回 わたしは考える?  ルネ・デカルトは1596年3月31日、トゥレーヌ地方のラ・エ(La Haye)で生まれた。この町は現在ではデカルトと呼ばれる。父親のヨアヒムは高等法院付きの法律家で、親類の多くは法律家か医師であった。……

掌の美術論
第5回 時代の眼と美術史家の手
――美術史家における触覚の系譜(前編)

2020年春から、コロナ禍で国内外の多くの展覧会が開催を見合わせたり延期したりした。代わりに多く見かけるようになったのが「ヴァーチャル・ミュージアム」と呼ばれる企画だ。インターネットに繋いだパソコンやタブレットさえあれば、家にいながらにして幾つかの海外の企画展の展示室風景を3Dの再現で見ることができた。そうした特設サイトでは、気に入った作品をクリックすればその詳細画像とキャプションを読むことができる工夫もなされていた。自粛期間が続くあいだ、美術館のこうした取り組みは重要な気晴らしの時間を提供してくれた。

By |2023-08-28T19:25:34+09:002023/5/30|連載・読み物, 掌の美術論|

夢をかなえるための『アントレプレナーシップ』入門
㉓アントレプレナーの資金調達(4)

直接金融による資金調達には資金提供者と資金調達者(アントレプレナー)の2つのアクターが存在します。この2つのアクターが出資という行為によってつながっています。そこには間接金融の欠点を補う仕組みがあります。しかしまた、リスクが存在することも事実です。今回は直接金融による資金調達に潜むリスクについて説明します。

コヨーテ歩き撮り#177

水俣の海を50数年ぶりに見た。プランクトンゆたかな、深い緑色は変わらない。海は何も語らないが、忘れてはいけない歴史がある。 Went to see the sea of Minamata for the first time in more than fifty years! The beautiful green water rich in plankton remains the same. But there is a history that should not be forgotten.

掌の美術論
第4回 機械的な手と建設者の手

手が勝手に動いて、思いもよらないような線を描くという体験は、誰にでもあるはずだ。幼い子供はある段階から、線を描きながら、その線に意味を与えていくことができるようになる。丸のようなものを描く。そして子供はそこに、順番に名前を与えてく。「このまるはたまごだよ。たまごじゃないよ。さなぎだよ。さなぎじゃないよ。なまえなの」。

By |2023-08-28T19:32:10+09:002023/4/26|連載・読み物, 掌の美術論|
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