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新着記事2024-04-16T22:14:11+09:00

夢をかなえるための『アントレプレナーシップ』入門
㉕起業家教育が目指すこと(1)

起業家教育は起業活動を活発にするために、また、起業家に対する評価を高めるために必要なものです。では、起業家教育とはどのようなものでしょうか。今回は、起業家教育が期待を裏切ってしまうような結果に終わるのはなぜか、求められる起業家教育とは何か、を考えていきます。

憲法学の散歩道
第35回 フーゴー・グロティウスの正戦論

 グロティウスは1583年、オランダのデルフトの名家に生まれた。若くして才能を開花させたグロティウスは、11歳でライデン大学に入学し、1598年にはフランスへの外交使節に加わって、オルレアン大学から法学博士号を授与されている。  当時のオランダは、1568年に始まったスペインに対する独立戦争のさなかにあった。スペインとの休戦は1609年に実現したが、独立が正式に承認されたのは1648年のウェストファリア条約でのことである。  1603年、シンガポールでポルトガルの交易船サンタ・カタリーナがオランダの商船団の攻撃を受け、戦利品としてアムステルダムに曳航された。船と積荷は競売に附され、東インド会社に当時のイングランド政府の国家予算に匹敵すると言われるほどの莫大な利益をもたらした。東インド会社は、若きグロティウスに、会社の行動の合法性と正当性に関する意見書の作成を依頼した。  当時のオランダは、スペインに対する独立戦争を遂行する一方、ポルトガルに対抗して東インド交易に参入しようとしていた(当時スペインとポルトガルは、スペイン国王がポルトガル国王を兼ねる同君連合の状態にあった)。絹織物、陶器、胡椒類等の交易は莫大な富をもたらした。……

By |2023/10/3|連載・読み物, 憲法学の散歩道|

ごはんをつくる場所には音楽が鳴っていた――人生の欠片、音と食のレシピ〈19皿め〉

パリ生活15年目くらいだったか、ようやくアパート暮らしからの脱出となりモントルイユというパリ郊外の街で、大家さんの離れの小さな一軒家を借りることになった。 引っ越しが終わった翌朝、ものすごい音で目が覚めれば中庭挟んだ大家さんの、豪奢ではないが19世紀特有の丈夫な家半分が崩れた。家自体の問題ではなく、隣接した建設中マンションの地下駐車場の掘削作業のためだ。 それから何ヶ月も立ち入り禁止となったからにはノマッド人生再開である。

掌の美術論
第8回 美術史におけるさまざまな触覚論と、ドゥルーズによるその創造的受容(前編)

今回と次回の記事では、ドゥルーズの美術論における「触覚」の議論を取りあげたい。ドゥルーズは、前回の記事で触れたリーグルの『末期ローマの美術工芸』(1901年)における触覚論の革新性に注目した人物のうちの一人である。1981年に出版された彼の『フランシス・ベーコン 感覚の論理学』(図1)を読むと、何よりも驚かされたのは、第14章「それぞれの画家が自分なりの方法で絵画史を要約する」以降の、アクロバティックなロジックの展開である。

By |2023/9/12|連載・読み物, 掌の美術論|

横澤一彦監修『シリーズ統合的認知』
全巻刊行記念 監修者によるブックガイド

2015年11月に刊行された『注意』からはじまった『シリーズ統合的認知』は、2023年8月の『感覚融合認知』をもって無事に全巻が刊行されました。要素還元的な脳機能の理解には限界があり、人間の行動を統合的に理解することが必要であるという視点でスタートした本シリーズは、認知心理学の王道ともいえる研究テーマや近年の研究蓄積が著しいテーマについて、それぞれの分野を代表する先生方にご執筆いただいたものです。 シリーズ全体の概要については各巻頭に収録されておりますが、完結を記念し、監修者の横澤一彦先生に全体を俯瞰する解説を改めてご執筆いただきました。脳の中にとどまらない広大な認知心理学のフィールドを探索する道しるべとして、本シリーズをぜひご活用ください。【編集部】

By |2023/9/8|本たちの周辺|
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