ごはんをつくる場所には音楽が鳴っていた――人生の欠片、音と食のレシピ〈番外編2〉
人類生まれてこのかた、移動とともに、たべものと音楽も広範に移ろい、現在に至ります。
移動という行為のもとにあるのは生きるということであり、移動の中にも定着の中にも生活があります。その生活において、人々は食べ、働き、語り、眠り、信仰を内に秘め、生きる空間に響く音を毎日の支えとする。こうして音楽が絵が文学が、何かが生まれる。
今日食べる皿の中に、今日聞く音楽の中に、育てる作物の中に、手の仕事の中に……生活の中に文化があるのだと思います。