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ベルクソン 反時代的哲学

藤田尚志

 ベルクソンについてはあまりにしばしば非合理主義ということが言われてきた。「硬直した理性がしなやかな理性以上のものであることを望む」この度し難い偏見を脇目に、ペギーはすでにこう断じていた。「そうではなく、最も緻密で最も厳しいのが、しなやかな方法であり、しなやかな論理、しなやかな道徳であることは明らかである」 。ここから次のような問いが生じてくる。ベルクソンにとってこの種の新たな論理の探究が重要であったのだとすれば、なぜ彼はそれをはっきりと定式化せず、明確に規定しなかったのか?それが可能でなかったのだとすれば、それはいかなる理由によるのか?
 ベルクソンは、大胆な小説家ですらも、日常生活の論理の「根本的な不条理性」を「明示する」ことはできず、ただその「驚くべき非論理的な本性」を「推し量らせる」ことしかできない、と述べていた 。この意味で、メジャーな概念は明示しようとし、マイナーな論理は示唆しようとするものである。ささやかではあるが、厳密なマイナーな論理というものが存在する。この点をさらに詳らかにせねばならないとすれば、そのために、言語、とりわけ隠喩(メタファー)・イメージ・形象の問題に、つまりはベルクソンの「文体(エクリチュール)」という決定的な問題に取り組まねばならないことは今や明らかである。
(「序論より」)

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治らなくても大丈夫、といえる社会へ――認知症の社会学 12月 25日, 2018 木下衆

治らなくても大丈夫、といえる社会へ
vol.02 誰かを責めるのをやめませんか?――1960年代末、「嫁さんが悪い」と言われ続けた人

今回は「痴呆」という言葉さえ一般的ではない時代に義母を介護していた女性のお話を通じ、介護する人・される人と周囲の人との関係を考えます。50年前と現在で、何が変わり、何が変わらないのか――そんなお話が展開します。

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ビブリオスコープ 人生相談本占い 12月 18日, 2018 中村和恵

Biblioscope 本占いと人生相談
〈第2回〉レインボー金魚の選択

今回はセクシャル・マイノリティからのご相談。セクマイ、って略語はいまのところ、好きになれないので使いません。近ごろ聞くことが増えたセクシャル・オリエンテーション・ジェンダー・アイデンティティ(SOGI)が多様であることは了解、で、SOGIマイノリティのこと、なんて呼ぶ、という話。

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連載・読み物 12月 10日, 2018 管啓次郎

コヨーテ歩き撮り#71

台中の街を歩いていたら、公園にこんなジャングルジムみたいなものがありました。へんな格好だな、と思いつつ歩きすぎようと思って、ある角度にくるとオヤッ? 突然正体が見えました。そう、法國闘牛犬です。つまりフレンチブル。とたんにかわいく思えてきました。

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ごはんをつくる場所には音楽が鳴っていた ー人生の欠片、音と食のレシピー 12月 07日, 2018 仲野麻紀

ごはんをつくる場所には音楽が鳴っていた
――人生の欠片、音と食のレシピ〈7皿め〉

ギリシャ人の父、フランス人の母を持つピアニスト、ステファン・ツァピスStéphane Tsapisと共に演奏を始めてかれこれ16年ほど経つ。音楽の在る場での出会いが今まで続いているのは彼の出自を色眼鏡でみて興味をもったからではなく、単に彼の演奏に魅了されたから。

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