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歴史

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憲法学の散歩道 4月 12日, 2022 長谷部恭男

憲法学の散歩道
第27回 ボシュエからジャコバン独裁へ──統一への希求

 ジャック・ベニニュ・ボシュエは、フランス絶対王政のイデオローグとして知られる。
 ボシュエは1627年、ディジョンの司法官の家柄に生まれた。イエズス会の教育を受けた後、メスの司教座聖堂参事会員となった彼の説教師としての声望は次第に高まり、1669年にコンドムの司教となり、さらに1670年にはルイ14世の王太子付きの指導教師となった。1680年に指導教師の務めを終えた彼は、1681年にモーの司教となった。マルブランシュ、ピエール・ジュリウー、フランソワ・フェヌロン等と論争を繰り広げた彼は、「モーの鷲l’Aigle de Meaux」と呼ばれた。……

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憲法学の散歩道 12月 14日, 2021 長谷部恭男

憲法学の散歩道
第23回 思想の力──ルイス・ネイミア

 『神と自然と憲法と』第18章で紹介したように、ジョン・メイナード・ケインズは、世界を支配するのは思想であるとし、それに比べて既得権益の影響は誇張されているとする。これと対蹠的な観点に立つのが、歴史家のルイス・ネイミアである。ネイミアによると、思想や原理と言われるものはすべて、人間の真の動機を覆い隠すためのイデオロギーにすぎない。歴史を動かすものは、別にある。……

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